半分不正解、半分正解 ページ33
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紘基「…春野さんさぁ、なんで執行部入ったの?」
光原先輩が怒ってる…?え…どうしよう。
『め、面接のときにも話したように学生執行部に入って成長したかったからです…。
部活紹介とその後の光原先輩の説明を聞いて…私も自分以外の生徒を支えれる人間になりたいって、思って…』
紘基「それ、今も変わらない?」
『え…?』
どうして…。そんなこと…。
紘基「春野さんが仕事頑張ってるのは知ってる。オリエンテーションだって部活だって真剣にやってくれてる。
でも、最近はより頑張ってるよね。俺に…告白した後から」
『(確かに…。先輩にいいところ見せようと思って今まで以上に頑張ってた)』
紘基「それって俺にいいところ見せたいから?他の新入生のとか執行部のやつらのためじゃなくて」
『!!』
そうか…。この頑張りは、光原先輩のためだけのものになるのか
紘基「…俺は、部活もオリエンテーションも、部員と他の生徒のためにやってる。役に立つために努力もしてる。
でももしも、春野さんが他のやつじゃなくて俺のために全部やってるなら…執行部として認めるわけにはいかない」
『…私は…』
紘基「学生執行部は、この大学の全学生のために働いてるんだ。部活もオリエンテーションも夏祭りもそう。
だから俺のためだけの仕事で、他の学生のこと考えてないなら俺は春野さんに何も任せたくない」
『そ、それだけじゃないです!私は本当に執行部で成長したくて!…でも…』
入部したい理由の中に、光原先輩に近づきたい、というのがなかったわけじゃない。
紘基「…前に、頑張るだけならいいって言ったな。前言撤回だ。どんなに春野さんが頑張ろうと、そんな思いだけで仕事してるやつなんか俺は絶対に好きにならない。頑張るのはやめてくれ」
『せ、先輩…』
紘基「ほらもう駐輪場だ」
チカチカと、白い蛍光灯が自転車がポツポツとしかない駐輪場を、寂しく際立たせる。
紘基「じゃあ俺帰るから」
『あ…。お疲れ、さまでした…』
引き留めも、声をかけるのもできずに、ただただ光原先輩の背を見えなくなるまで見つめていた。
駐輪場に目を向けて、自分の自転車へと歩き出す。
奥の方に置いてたっけ…。よかった。裏から行ってたらまだ光原先輩と話してなくちゃいけなかったもん。うん、こっちからでよかった。
『…なんだこの駐輪場、こんなに錆びてたんだ』
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みびみやこ(プロフ) - チックタックさん» コメントありがとうございます!書きたいことが多すぎて中々発展しなくて申し訳ないのですが、そう言ってくださると嬉しいです!こだわっていきたいと思います!今後も当作品をよろしくお願いします。 (2021年9月23日 18時) (レス) @page42 id: 9a02bb3167 (このIDを非表示/違反報告)
チックタック - 話の内容がすごく作りこまれている! (2021年9月23日 14時) (レス) @page43 id: b901e895c9 (このIDを非表示/違反報告)
みびみやこ(プロフ) - みらいさん» 面白い!?!?ありがとうございます!少しずつではありますが進めていきます!今後も当作品をよろしくお願いします。 (2021年9月17日 20時) (レス) id: 9a02bb3167 (このIDを非表示/違反報告)
みらい - すごくおもしろいです!無理のない範囲で更新頑張ってください (2021年9月17日 20時) (レス) id: 942628a425 (このIDを非表示/違反報告)
みびみやこ(プロフ) - にら。さん» 返信遅くなり申し訳ございません。好きというコメントありがとうございます!これから定期的に更新していければと思いますので、読んで下さると嬉しいです!今後も当作品をよろしくお願いします。 (2021年9月14日 18時) (レス) id: 9a02bb3167 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みびみやこ | 作成日時:2020年9月18日 23時