入学式1 ページ2
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『どう、お母さん!?スーツ、上手く着れてる?テレビ電話じゃわかりにくいかな?』
A母「大丈夫大丈夫〜。自信持って、笑顔で!いってらしゃい。ついでに、いい男も見つけてきなさいよ笑」
『ちょっと、やめてよ!笑 入学式ってそんな場合じゃないから!』
A母「わっかんないよ?どこにどういう出会いがあんのか」
『もう〜…』
A母「はは笑……まぁ、あんたはお母さんみたいに、恋愛には失敗しないでね」
『…うん、わかってる。お母さんが今まで言ってた、やめとけ男の条件もちゃんと覚えてるから』
A母「じゃあよし!遅れないように家出なさいよ〜。一人暮らしなんだから」
『うん、ありがとうお母さん!じゃあね!………よし!』
ガチャ
『…いってきます』
決して広くない1Kのアパート。階段の手すりに手をかけながら、勢いよく1階分駆け下りて、空を見上げる。
『…うん、いい天気』
青空が広がる今日!私、春野Aは大学生になります!
新品の自転車に跨がり、何度も予習した大学までの約10分間の道のりを走っていく。
『(…風が心地いい)』
子どもの時から、ずっと住んでいた地元から離れてみたくて選んだ、県外の大学。一応、きちんと勉強したい分野がある大学・学科を選んだ。偏差値もなかなか悪くないし、校舎も綺麗なところ。…校舎に関しては、少なくともオープンキャンパスでの印象は、だけど。
でも!憧れのキャンパスライフ!勉強・サークル・友達、そして…
『…恋』
さっきはお母さんに、そんな場合じゃないと言ったけど、期待していないわけじゃない。
本当は…運命の出会い、というものを期待している自分がいる。いつも以上に気にした髪型とメイク。
信号待ちの度に、わざわざ鞄から鏡を出して崩れていないか確かめている自分がいた。
『あっ、大学見えてきた』
大学まであと約2分。大きい時計が飾られている塔が、住宅地の景色から顔を出す。
自転車を漕いでるからの可能性もあるけれど、私の胸が緊張やら期待感で大きく動くのを感じる。
大学に近づくにつれ、スーツを着た男性・女性は増えてくる。
『(この人たち全員、同級生になるんだろうな…)』
そう思うと、なんとなく顔を作ってしまった。…こんな表情、お母さん見たら大爆笑しそう
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みびみやこ(プロフ) - チックタックさん» コメントありがとうございます!書きたいことが多すぎて中々発展しなくて申し訳ないのですが、そう言ってくださると嬉しいです!こだわっていきたいと思います!今後も当作品をよろしくお願いします。 (2021年9月23日 18時) (レス) @page42 id: 9a02bb3167 (このIDを非表示/違反報告)
チックタック - 話の内容がすごく作りこまれている! (2021年9月23日 14時) (レス) @page43 id: b901e895c9 (このIDを非表示/違反報告)
みびみやこ(プロフ) - みらいさん» 面白い!?!?ありがとうございます!少しずつではありますが進めていきます!今後も当作品をよろしくお願いします。 (2021年9月17日 20時) (レス) id: 9a02bb3167 (このIDを非表示/違反報告)
みらい - すごくおもしろいです!無理のない範囲で更新頑張ってください (2021年9月17日 20時) (レス) id: 942628a425 (このIDを非表示/違反報告)
みびみやこ(プロフ) - にら。さん» 返信遅くなり申し訳ございません。好きというコメントありがとうございます!これから定期的に更新していければと思いますので、読んで下さると嬉しいです!今後も当作品をよろしくお願いします。 (2021年9月14日 18時) (レス) id: 9a02bb3167 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みびみやこ | 作成日時:2020年9月18日 23時