第118話 ページ26
毎日、手紙が絶えることは無かった。朝になると必ず、テーブルに走り書きの手紙とお金があった。
それでも、段々と私の心は廃れていった。
お母さんの職業を、お母さんを憎むようになった。
親戚からの嫌味で、お母さんの職業はとっくに知っていた。
そして、私が、客との間にできた「お荷物」だということもわかっていた。
だから、私にはお父さんがいない。この事実なら、全ての辻褄が合う。
そして、中学校卒業の数日前の手紙。
【ごめんね、A。お母さん別のところで働くことになったから、高校は遠いところに行くことになっちゃった。本当にごめんね。】
数滴の雫で湿った紙にそう書いてあった。
こんそめたちと会えなくなる。唯一の家族のような存在だったレウとも、きっと会えなくなる。
その事実は、私をどん底に突き落とした。
そのせいか、入学した学校では誰とも話すことが出来なかった。周りは同じ中学校だった人たちもいる中、私は1人。
ついにはいじめの標的にされ、最悪の1年間を過ごした。
食費はお母さんが毎朝置いていってくれたので困らなかったが、バイトを始めた。自分の欲は一切放って、バイトを掛け持ちして、少しずつお金を貯めた。
幸い、バイト先はどこもいい人ばかりで、給料もそこそこ高かったため1年でかなりの金額が貯まった。
そして、現在。
そのお金で、こっちまで帰ってきた。私の1年の努力は、帰ってくる時に瞬く間に消えたけれど、向こうよりはずっといい生活に出会えた。
『…それからは、お母さんとはずっと会ってないけど』
そこまで話して、一息つくと、勢いよく抱き着かれた。
『ちょ…！何！？』
gt「ｯ……そんな辛かったならなんでずっと黙ってたんだよ…！」
ぐっちの、震えた声が届く。もしかして泣いてる…？
『ごめん、ごめんね…でも、もう大丈夫だから』
こんそめに想いを伝えられたのも、今こうやって打ち明けられたのも。
それもこれも、全部こいつらのおかげ。
何故か泣いていたメンバーが泣き止んで落ち着いた頃、レウが口を開いた。
ru「…でもさ、お母さんは…いいの？」
『………』
ru「お母さんとずっと会ってないんでしょ？体育祭にも来てなかっし、お母さんに何も言わず帰ってきたんじゃないの？」
…ほんと、実の兄みたいに痛いところを突いてくる。
実際そうだった。お母さんに無断で、家出のような形でこっちへ引っ越した。
それに心残りがないと言ったら、嘘になる。
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舞コンブ神楽(プロフ) - もっちもっちさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました…！ちなみに今も(かなり亀更新ですが)長編や短編を書いてるので、もし良ければ読んでみてください！ (2022年10月20日 23時) (
レス) id: 7865aa888d (このIDを非表示/違反報告)
もっちもっち(プロフ) - 完結おめでとうございます!!!つい最近読んだよですが、面白すぎて2日間で終わってしまいました!!!さらに面白い作品が出ることを期待しております！ (2022年10月20日 21時) (レス) @page32 id: 5d1b6c9e6e (このIDを非表示/違反報告)
舞コンブ神楽(プロフ) - クラインさん» そんな感じです！子供ちゃんも、もしかしたらハチャメチャな未来になるかもですね…！こちらこそ、ここまで読んでいただきありがとうございました！！ (2022年6月21日 23時) (レス) id: 7865aa888d (このIDを非表示/違反報告)
舞コンブ神楽(プロフ) - くろもち@華月さん» 楽しいと感じて貰えてとても嬉しいです(*´˘`*)最後まで読んでいただきありがとうございました！ (2022年6月21日 23時) (レス) id: 7865aa888d (このIDを非表示/違反報告)
クライン(プロフ) - 完結おめでとうございます。夢主ちゃん達みんな幸せになってくれてよかったです。この先は子供ちゃん×zmさんって事であってます？？？そんな未来を想像しながら生きていきます。ここまで本当に、お疲れ様でした！！素敵なお話をありがとうございました！！ (2022年6月21日 19時) (レス) @page32 id: 2e57063caa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：舞コンブ神楽ﾁｬﾝ | 作成日時：2022年5月1日 17時
