34話 名をつけよう ページ35
｢…実に今日は平和だ｣
誰にも聞かれることなく私が呟いた言葉は、雲一つない大空へとかき消された
学校が休みというだけでこれほど喜んだことはない。勉強は嫌いではない。そんな単なる理由で嬉しがることは無い
理由は一つ。学校内で雲雀があの決闘以来追いかけ回してくることだ。
お陰で今では学校で浮く存在に。あの顔も会って女子からは目の敵にされている。もちろん、私はその結果は望んでいない
こうなる事ぐらい分かっていたのに、なぜあの時断らなかったのだろう
今でも疑問のままだ
兎に角私は小学校を卒業するまでは平和に生きたかったのだが、あの男がそれを無駄にした行為で私は波乱万丈、望まぬ結果っとなったわけだ
毎日頭痛が酷く、まだ犬を飼うのがマシになってきた方だ
しかし救いとすれば、まだ雲雀は私の家を知らない。勿論後を付けられないように裏ルートを使って帰ってきている。女子達にも絡まれなく済んでいる
だが時が来ればいずれ知れ渡るだろう。その前に、手を討たなければならない
｢わん！｣
｢…｣
知っているだろうか。この犬は私が家にいる時は必ず寄って引っ付く生活を送っている。一緒にいて飽きないのか、私の心情を感知してるかのように鳴くのだ
まあ、他の犬と違って利口なのは分かったが
隣にお座りしている犬の頭を撫でるとそいつは擽ったいと言わんばかり目を細める。本当に仕草や人間の言葉が分かってるようだ
｢…アンタは自由でいいね。言葉を発せなければ、誰にも縛られることはない。…私と代わってほしいよ｣
｢わん｣
なんて、犬に話しても意味が無い。
縛られることはない、か。自分で言ってなんだが、この犬も私のところに来る前は違う飼い主がいたかもしれない。実際は分からないが、…犬も縛られている
言葉と思いが矛盾する中、ただただ私は空を見つめた
遠い彼方、手の届かない空の向こうできっと今幾つかの星がぶつかり合い、消滅し新しい星が生まれているのだろう
運命もそんなものだ
｢ …そう言えば、アンタの名前まだ決めてなかったね ｣
｢わん！｣
｢正直、つける気は無かったけど…｣
どこか、あの子に似ていた。
どこか、彼に似ている所があった
私は白い犬を見る。吸い込まれそうなオレンジ色の瞳が、どことなくあの子に似て…そして彼のように暖かい
｢アンタの名前は―――――……｣
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蓮@(プロフ) - 闇の道化師さん» ありがとうございます！喜んでもらえたのなら作者も嬉しいです。更新頑張りますね (2017年3月8日 18時) (
レス) id: 265fac0211 (このIDを非表示/違反報告)
闇の道化師 - こういう作品大好きなので頑張って欲しいです！これからも頑張ってください♪ (2017年3月7日 23時) (レス) id: a4c5ed2f5a (このIDを非表示/違反報告)
蓮@(プロフ) - (名前)さん» ありがとうございます！楽しんでいただけるよう作者も頑張ります。 (2017年3月5日 22時) (レス) id: 265fac0211 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - お返事ありがとうございます。私もハッピーエンド好きなので嬉しいです。更新頑張って下さいね。 (2017年3月5日 21時) (レス) id: f2e5b2371a (このIDを非表示/違反報告)
蓮@(プロフ) - (名前)さん» 落ちは決まっています！作者はハッピーエンドが好きなのでそうしようかなと思っています！一応話はシリアスメインですけどね (2017年3月5日 20時) (レス) id: 265fac0211 (このIDを非表示/違反報告)
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