12話 悲鳴 ページ13
奈々side
夕ご飯の支度もして、食器を机に並べ終えるとリビングにAちゃんが来た。
丁度良いタイミングで、私は家光さんの事を聞いた。
家に帰ってきた瞬間に、Aはどこだ〜、って言ってそのまま２階に言っちゃったんですもの。すると、Aちゃんは2階で部屋の入口に寝ていると言ってくれた
まさか、ぶっ倒れていたなんて。言われた通り、階段を上がると家光さんのぶっ倒れた姿があった。
可愛らしいぬいぐるみを抱き締めながらAちゃんの名前を呟いている。そんな姿に、思わず笑いが込み出した
｢家光さん家光さん。起きてください、Aちゃんなら今リビングでご飯を食べていますよ｣
｢ん〜、...奈々ぁ？｣
｢はい。さ、立って一緒にAちゃんとご飯を食べましょう！｣
｢ふわぁあ、眠てぇ｣
目を擦りながら起き上がった家光さんに微笑んだ瞬間、下から聞いたこともない、Aちゃんの叫び声が二階まで響いてきた
思わず振り向いて、叫び続けるAちゃんの悲鳴が尋常では無いことが分かる。家光さんが即横を通り過ぎて、階段を走って降りていった。それに続いて私も降りてリビングに行くと、
｢Aちゃ...っ！？｣
床に座って髪を手で握って震えながら、顔は見えないがポトん、ぽとん、と床に涙が落ちていく。何が起きているのかも分からず、ただ悲鳴をあげるAちゃんを落ち着かせようと、家光さんが必死にAちゃんを抱きしめていた
｢こ、わい...怖いよッ｣
｢A落ち着けっ。何が怖いんだ...！｣
｢あアレ、あれ、怖いっっ...、み、みんな...燃えてッ...！！｣
Aちゃんが震えた手で指さしたのは、火災の映像が映るテレビだった。
これが、Aちゃんを...苦しめているの？？
｢奈々っ！｣と私の名前を呼ぶ家光さんの声に反射してすぐさま床に落ちているリモコンでテレビの電源をきった。
でも、Aちゃんはまだ震えて怯えている。家光さんが、強く抱き締めて落ち着かせようとしている
私はただ、見ている事しか出来なかった
｢もう大丈夫だ。母ちゃんと父ちゃんがお前を守ってやる。...怖かったな｣
｢っう...｣
背中をトン、トンとリズムよく優しく叩く家光さん。数分もしないうちに、鳴き声は止み、反対に落ち着いた寝息が聞こえた
小さな身体は、家光さんの腕の中に収まりギュッ、と彼の服を握りしめる小さな手で固定させ、離れないように、まるで怯えているようで心が締め付けられた
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蓮@(プロフ) - 闇の道化師さん» ありがとうございます！喜んでもらえたのなら作者も嬉しいです。更新頑張りますね (2017年3月8日 18時) (
レス) id: 265fac0211 (このIDを非表示/違反報告)
闇の道化師 - こういう作品大好きなので頑張って欲しいです！これからも頑張ってください♪ (2017年3月7日 23時) (レス) id: a4c5ed2f5a (このIDを非表示/違反報告)
蓮@(プロフ) - (名前)さん» ありがとうございます！楽しんでいただけるよう作者も頑張ります。 (2017年3月5日 22時) (レス) id: 265fac0211 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - お返事ありがとうございます。私もハッピーエンド好きなので嬉しいです。更新頑張って下さいね。 (2017年3月5日 21時) (レス) id: f2e5b2371a (このIDを非表示/違反報告)
蓮@(プロフ) - (名前)さん» 落ちは決まっています！作者はハッピーエンドが好きなのでそうしようかなと思っています！一応話はシリアスメインですけどね (2017年3月5日 20時) (レス) id: 265fac0211 (このIDを非表示/違反報告)
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