ケージ:111 ページ15
グルッペンさんたちが発ってから、早三日が過ぎた。
私は鬱さんやオスマンさんのお仕事の手伝いをしたり、ショッピさんと銃の訓練に勤しんだりと変わらない日常を送っている。
はっきりと変わったと感じるのは、なんと言っても食卓だ。リーダー的な存在のグルッペンさんがいないからか、食堂に顔を出す人が激減した。
ひとらんらんさんやしんぺい神さんは普段からあまり食堂に来てご飯を一緒に食べることはないけれど、ずっと顔を出していたオスマンさんや鬱さんもあまり食堂に来なくなった。
ショッピさんは食卓には顔を出すけれど、一言二言挨拶をして何も採らずに出ていってしまう。
必然的に、この場所で食事を採る人間は限られた。
「今日も私と貴女だけですね。」
ふんわりと微笑むのはエーミール先生。
ことりと置かれた皿。オムライス、というのだそうだ。ほかほかと温かな湯気を立てるそれから、バターと濃いデミグラスソースの香りが漂う。
「すみません、いつも……ありがとうございます。」
「いえ、私がしたくてしていることですから。」
それに好都合です、とスプーンを手渡しながらエーミール先生は肩を竦める。
「貴女の側には常に人がいる。こういう時くらいしかゆっくり話ができないですから。」
「エーミール先生のお話相手が、私でよいのでしょうか。」
「ええ、勿論。私は貴女がいいんです。」
相変わらず、エーミール先生はこちらがどきりとするような言い回しをする。
恐縮です、とほんの少しだけ微笑んでみる。
冷めないうちにいただきましょうか、とエーミール先生に促されて手を合わせる。半熟の卵に覆われたケチャップライスをソースと一緒にすくって、口に運んだ。
「おいしい……。」
「それはよかった。」
満足げに微笑むエーミール先生。
そのまま頬杖をついてしまった。じい、と私を見つめている。
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かぼちゃ(プロフ) - この作品大好きです。最高です。何度も読み返しています。主人公が可哀想で可愛い。仄暗さが最高です。更新いつまでも待ってます。 (9月29日 0時) (
レス) id: af8b6c02d3 (このIDを非表示/違反報告)
さく - 続きは何処…！ (2022年11月18日 7時) (レス) @page32 id: 77c841469d (このIDを非表示/違反報告)
バカふわ - 続きと結末が気になります！ (2022年9月27日 21時) (レス) @page32 id: 95afcd7436 (このIDを非表示/違反報告)
りこち(プロフ) - すきです！！とくにz脅威さんの台詞の吃り方が天才です！！！！すき！！！！ (2021年2月21日 15時) (レス) id: 7094782543 (このIDを非表示/違反報告)
あか - とっても好きです！？！？！？！描写がとっても素敵で....更新ゆっくり待ってますね！！ (2020年5月23日 16時) (レス) id: 2c4cbba459 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちくわ | 作成日時：2020年2月26日 20時
