夢幻泡影18:喫茶で会いましょう ページ27
「悔しい…」
「…ここは飲み屋じゃないよコナン君?」
俺は次の日、ポアロにくると安室さんに愚痴っていた。
幸いなことに客もいないし、梓さんは今日は休みらしい。
「…そういえば安室さんってAさんと仲良いよね?
あの人本当に何者なんだろ…」
「…彼女から何か言われたのかい?」
「………組織のこと聞いた。
この前誘拐されたって」
「へ、へぇ〜…」
と、柄にもなく動揺している安室さんを見てピンときた。
普段は組織のことを出しても全く動揺なんてしない。つまり…
「安室さんがAさんを誘拐したの?」
「う”っ…。
でも、Aさん普段の僕と違うってすぐに気づいたけどね。」
「あ〜…。あの人恐ろしいよね、昨日もすぐに嘘がバレて自爆しちゃったよ…
おまけに“嘘が下手くそ”まで言われちゃったよ…はぁ…。」
「確かにコナン君っておっちょこちょいなところあるしね」
とカラカラ笑う彼を見て、昨日の彼女を思い出してしまう。
「そういえば、脱出したとき誰かの手助けがあったとも言ってたけどそれも安室さんだよね?」
「うん。鍵と彼女のお兄さんのナイフを渡したよ」
「……え、それだけ?
脱出ルートとかは?中にも人いたんじゃ…?」
そこまで言うとさっきまでニコニコ笑顔だった安室さんがピシリと固まり震え出した。
『おーおー、もっと言えコナン君。
誘拐された挙げ句、拉致、迷子にもなっちまったんだからよ』
ふら〜と入ってきたAさんはカウンターのいつもの席に座った。
「Aさん、すみませんでした…っ!」
サッと華麗なお辞儀をする彼は見事45度の角度で謝っていた。
確か45度のお辞儀って謝罪の意味があったな。
『あははっ!別に良いんだよ。ちょっと意地悪したかっただけだしな!
そうそう、コナン君。結局昨日はいびり倒した訳だけど大事な物忘れてた。
私のナイフ返してくれ』
「はぁ〜い。でもAさん銃刀法違反で捕まらない?」
『銃刀法ってふわふわした法律だしな。
見つからなければ大丈夫だ』
おいおい、目の前に警察官がいるのにこの人は…。
きっとこの人は安室さんの正体を知っているハズだ。
…本当に恐ろしい人だ。
『昨日貸してくれたホームズシリーズありがとな。まだ途中だけど面白い』
「だよね!?Aさんもホームズの魅力に気づいた?」
『今まで探偵小説は乱歩って言ってた過去の自分に強く勧めたい位だ』
…でも案外悪い人ではないんだろうな。
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paranoia(プロフ) - モチモチ納豆さん» コメントありがとうございます!やっと恋愛っぽくなりだしてこれたので今後の展開も楽しんで頂けると嬉しいです(^^) (2018年3月20日 22時) (レス) id: 1c11084766 (このIDを非表示/違反報告)
モチモチ納豆 - 毎回楽しく見させてもらってます。 更新頑張ってください!! (2018年3月20日 21時) (レス) id: 73b1cc3c0a (このIDを非表示/違反報告)
paranoia(プロフ) - めーめさん» ご指摘ありがとうございます変えさせていただきました…!まだまだ編集とか慣れていなくて…(汗)リンネ君、良いお兄ちゃんだった…(涙) (2018年3月19日 12時) (レス) id: 1c11084766 (このIDを非表示/違反報告)
めーめ(プロフ) - 3ページ目、1番最後名前変換の所ら辺がミスってます? リンネ君ー帰って来てー!! (2018年3月19日 12時) (レス) id: 8e356b7e31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:paranoia | 作成日時:2018年3月19日 4時