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「いい加減にしろって。このまま居場所言わなかったら無断バイト学校に報告するからな」
遂に脅し始めたか。
無断バイトのことは出されるんじゃないかって睨んでた。
こっちにも策はある。
「いいよ」
「は?」
「その代わり先生の本性もバレるけど?
わたしが知ってること全部言っちゃうよ」
屋内でタバコ吸ってるとか、
補習見るふりして自分がサボってるとか。
期待されてるらしい先生からしてみれば結構痛くない?
「いいよ。言えば?」
「え、」
・・・え、いいの?えっ、いいの?!
「俺なんか別にどうなってもいいよ。だからお願い。今どこにいるか教えて」
急に弱々しくなった先生の声。
どうしてそこまでしてわたしの心配をするの?
わたしが普通じゃないから?
でも普通じゃなかったとしてもそこまでする?
もう・・・先生がなに考えてるかほんとにわかんない。
「・・・改札出て横にある公園。ちょっと小さめな」
「名前は?」
「え、公園の?」
「うん。書いてないの?」
辺りを見回す。暗くてよく分からない。
あ、あった。
ベンチの側に小さく看板が立ってる。
「えっと、・・・ん?」
「なに?」
「いや、ちょっと字がかすれてただけ。
えっとね、・・・え、スナギモ?」
「え、?は?ふざけてんの?」
「違うよ!ほんとに書いてあるんだってスナギモって!」
「なにその変な名前」
「わたしに言わないでよ。書いてある名前呼んだだけだもん」
「・・・まあ、分かった。スナギモな?え、ねえほんとにスナギモ?」
「スナギモだって!」
「スナギモ・・・Googleマップ出てくるかな〜、
ま、いいや。分かった。そこにいて」
電話を切って時間を見る。
・・・21時半過ぎか。もう少しで22時なりそう。
今日はもう先生に会わないって思ってたのに。
先生もわたしの所じゃなくて先に「綾」さんに会いに行くべきなんじゃないの?
「綾」さんの存在を知らなければよかったって後悔してるのに、
こんなことを思ってしまうなんて、
わたしも自分がなにをしたいのか分からない。
玉森先生に出会ってから、わたしはおかしい。
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作者名:にこまる | 作成日時:2018年7月16日 1時