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36話 風物詩 ページ37

花火大会大会に行くことを決めた後、何故か天野さん、姫野さん、私の三人でひっそり話をすることになった。
「ねえ!花火大会だし、勿論着るよね?」
「私着たいな!」
なんとなく察した気がする。
「浴衣!」
二人は顔を見合わせて笑う。一応、着付けの仕方は教わったことがあるが、そこまで着たいとも思ったことはないな。
「ん...私は何でもいいけど、あの男達と合わせないといけないだろ」
「その辺は大丈夫!アキノリがノリノリで着るって言ってたから」
「そうか...」
有星がノリノリな理由はお察しだな。私は何も言わないぞ。
「じゃあ、明日三人で買いに行こうか!」
「分かった」
世間一般で言う、青春ってそんな感覚なのだろうか。今まで一度も感じたことがなかった。でも、なんだか悪いものでもないな。

 最近色々なことがあるけど、一人の時間は相変わらず落ち着くものだな。やることやったし、そろそろ寝ようかな。
 ボーッとしていた時、ガチャっとドアの開く音がした。
「ただいま」
「おかえり」
父さんにしては早いな。珍しい。
「随分早いな。夕飯食べる?」
「外で食べたから大丈夫だよ」
いつも父さんは朝早くから夜遅くまで必死に働いている。自分と...私を養うため。自分が悪い訳でもないのに離婚して毎日大変な思いをしている。なんだか申し訳なくなってしまう。
「新しい学校は馴染めたか?」
「まあ、それなりに」
久々に話すというのに冷たくなってしまう。考え過ぎてるだけだろうか。
「今まで辛い思いさせちゃってごめんな」
「いや、それは父さんの方だ。メサイア継承に何も関わっていないのに別居することになって、毎日大変な思いさせちゃってるんだから」
あいつらさえ、いなければ。もしかしたら父さんは楽に生きられたのだろうか。それとも私がこの家族にいるのが悪いのだろうか。
「Aは頑張ったんだ。だからもっと自信持って、自分のできることをしていればいいんだよ。そこまで父さんのことは気にするな」
「父さん...ありがとう」
 最初そこ弾まなかった会話も弾み、学校での話や妖怪探偵団の話なんかをしてから寝た。結構遅くなってしまったと思う。トウマは、家族と過ごすことができているのだろうか。私みたいに歪んではいないだろうか。似た境遇だと、なんとなく心配になるものだ。

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設定タグ:妖怪ウォッチ , シャドウサイド , 月浪トウマ   
作品ジャンル:アニメ
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Milkcat(プロフ) - 珠華姫さん» ありがとうございます!楽しんでもらえるような小説が書けるように頑張ります! (2019年8月7日 22時) (レス) id: f6a5fa765e (このIDを非表示/違反報告)
珠華姫(プロフ) - すっごくおもしろいです!更新頑張ってください!無理はしないで下さいね。楽しみにしてます! (2019年8月7日 21時) (レス) id: 8b16303676 (このIDを非表示/違反報告)
Milkcat(プロフ) - kotorin♪さん» 感想ありがとうございます!更新遅くなってしまってますが、出来る限り更新するので読んでいただけると嬉しいです! (2019年7月28日 23時) (レス) id: 444fb6a5c2 (このIDを非表示/違反報告)
kotorin♪(プロフ) - 凄く面白いですね!続きが気になります!頑張ってください! (2019年7月28日 21時) (レス) id: cc2a8c7850 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Milkcat | 作成日時:2019年7月19日 10時

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