33話 バトンタッチ ページ34
恐らくもう体力の限界だろう。洞潔も私も、息がかなり上がっている。女郎蜘蛛が強すぎる。せめて、メサイアの力で女郎蜘蛛の力を弱められたら...そんな願いも虚しく、床に倒れ込んでしまった。
「もう終わりかい?それならお前たちも食ってやろうかねぇ」
動けないから、食われるしかないのだな。なんで守れないんだ。私は守らないといけないのに!絶望的な状況に沈んでいた。
その時だった。
「憑依!剣舞魔神・玄武、我に力を!」
妖怪探偵団も戦っていたんだな。安心で一気に絶望が振り払われていった。
「五百雀さん、ありがとう。私たちもやるよ!」
少し、温かな気持ちがこみ上げてきた。これが何かを、今の私は知る余地もない。だが、援護くらいはしないとな。
「女郎蜘蛛...」
拘束が解けた酒呑が異様な殺気を放っていた。一体何者なんだ、あいつは。何故拘束されていたのだろうか。
「おや、もう姫とは呼んでくれないのかい?」
「黙れ!」
かなりお怒りのよう...だ...!?さっきまで人の姿をしていた酒呑が筋肉質な鬼の姿に変わった。
「酒呑くんが酒呑童子!?」
酒呑童子...本当なのか。どうりで嫌な気配がした訳だ。
「万死に値する!」
「無茶な!」
咄嗟に口走る。今の今まで妖力を吸収されていたやつがそんなことできる筈が...いや、それをできるようにすればいいんだ。
「もう一度行くぞ、メサイア!」
「俺たちも!」
全員の、必死の討伐が始まった。
ートウマsideー
「ぐわああああ!」
女郎蜘蛛を倒した。これで、アヤメさんは元に戻るはず。...と思っていた。
「アヤメちゃん!」
「アヤメさん!」
いつになっても起きない。どうしてだろう。女郎蜘蛛はいないはずなのに。
「魂を食い尽くされたか...」
Aが冷たく言う。悲しんでるよね?あんまり思い出がないかな?でも...
「どうゆうこと?」
「姫野さんは女郎蜘蛛に魂を食われた。だから、もう目を覚まさない」
「嘘だろ...」
淡々と話すAに何か、やりきれない気持ちのようなものを感じた。助けられなかったことに罪悪感を感じているのだろうか。でも、Aだけのせいじゃないのにな。
「......」
あまりにも冷たい態度に、怒りを覚えたのか、アキノリがAの服に掴みかかった。
「なんで...なんでお前はそんなに冷静でいられるんだよ!」
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Milkcat(プロフ) - 珠華姫さん» ありがとうございます!楽しんでもらえるような小説が書けるように頑張ります! (2019年8月7日 22時) (レス) id: f6a5fa765e (このIDを非表示/違反報告)
珠華姫(プロフ) - すっごくおもしろいです!更新頑張ってください!無理はしないで下さいね。楽しみにしてます! (2019年8月7日 21時) (レス) id: 8b16303676 (このIDを非表示/違反報告)
Milkcat(プロフ) - kotorin♪さん» 感想ありがとうございます!更新遅くなってしまってますが、出来る限り更新するので読んでいただけると嬉しいです! (2019年7月28日 23時) (レス) id: 444fb6a5c2 (このIDを非表示/違反報告)
kotorin♪(プロフ) - 凄く面白いですね!続きが気になります!頑張ってください! (2019年7月28日 21時) (レス) id: cc2a8c7850 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Milkcat | 作成日時:2019年7月19日 10時