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You side
『らんらんの友達なら…多分、いい人…なんだろうし』
少し怖いけど平気。そう付け足せば、彼は少し悩んだような表情を浮かべる。いつの間に手にしていたのだろうスマホの画面に目を落として、やがてこちらを向いた。
「…無理しないでね?」
『え?うん。いやでも今会うわけじゃあないでしょ?』
「………ごめんA、後ろ」
『へっ』
「君がAちゃん?オスマンめう〜よろしくなぁ〜」
『ひあぁっ!?っ、いったぁ…!』
思わず後ろに退き、その勢いのまま花壇に腰をぶつける。らんらんは一瞬吹き出したあと(なにわろてんねん)、なにしてんのもう…と私の背中を擦り始めて。
たった今挨拶をしてきたオスマンと名乗った男子は驚きつつ、大丈夫〜?とこちらを覗き込んでいる。
っは〜〜〜!!
大丈夫だけど大丈夫じゃないです!!
心臓に悪いとかいうレベルを超えていた。
突然至近距離で高速除夜の鐘鳴らされた気分だった。無理すぎ。いやうるさいな本当にあったら。
腰を抑えつつ先ほど体当りしたばかりの花壇に腰を下ろして、改めてオスマンくん…だったか。その子を見てみる。
女子も羨むふんわりとした茶髪に、森を連想させる深緑の瞳。体のラインは細く、声さえ聞かなければ女子だと見間違えそうだ。いわゆる、美形イケメン…といったところだろう。
顔面偏差値高すぎでは?殺意。
取り敢えず黙るのは良くないよな、と思いつつ、何を話すものか、といやに考えてしまって、口を開いて、閉じて、を繰り返す。
あ、これだめだ。話せねぇ。
そう思ってらんらんにパス送ろう、と視線を向けようとすれば…
「…!わ、うさぎ一匹逃げた!ごめんちょっとまってて!」
頼りの幼馴染ー!!??
最高潮に焦る。目の前には呑気にいってらぁと手を振るオスマン君がいる。なんつう奴だ。いやそれが普通なんだな。ごめんね。
やがて何も喋らない私に気付いたようで、
「俺のこと知ってたりする?」
助け舟を出してくれた。
ひぃ…メシア…
『…えぇ、と。生徒会の人、ですよね?…たしか………確か…………書記?』
「うーん!それはトントンやなぁ。俺は副会長なんよ」
『えっ、始業式で司会してた方だと思ってました…』
「…一応後半の司会進行は俺やったんやけど…もしかして聞いてなかったとか」
『…、……』
心当たりしかない。そういえばいろいろと考え事をしていた覚えがある。
せっかく話を振ってくれているのに…!!
ごめんなオスマンくん…!!!
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森樂(プロフ) - ライアさん» 名推理!わかっていただけて安心しました、大正解です!! (2020年12月25日 6時) (レス) id: 319bfda70e (このIDを非表示/違反報告)
ライア(プロフ) - なるほど、名探偵のようなポーズ…実写動画でのお決まりポーズですよね?! (2020年12月24日 22時) (レス) id: a00b590788 (このIDを非表示/違反報告)
森樂(プロフ) - 小豆さん» 私も美術部員ですこんにち((ありがとうございます、引き続きよろしくお願いします!! (2020年12月23日 21時) (レス) id: 319bfda70e (このIDを非表示/違反報告)
小豆 - 同じ美術部員ですどう(((めちゃ神作ですね!!(確定)これからも更新応援しています! (2020年12月23日 11時) (レス) id: 73726d907e (このIDを非表示/違反報告)
森樂(プロフ) - つむ(^p^)**さん» ありがとうございます嬉しいです(号泣)作品の展開的にキャラに偏りありますが続々と出せていけたらなと思うので(願望)これからもどうぞよろしくお願いしますー! (2020年12月21日 15時) (レス) id: 319bfda70e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:森樂 | 作者ホームページ:https://twitter.com/Sinra_ura_d?s=06
作成日時:2020年12月3日 23時