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You side
「…あ。もしかして名前聞き取れませんでした?エーミールです。2年D組の」
『あっ、い、いえ!それは大丈夫なんですけど…』
二人してキョドる。
名前は聞いたことがあるが、いつ聞いたかも覚えていないし…というかそもそもこの人と関わりある覚えがねぇぞ。大丈夫か。
「…と、とりあえずロボロさんのところ行きます?」
『お、お願いします…?』
目的地方面を指差す彼に、戸惑いを隠せないまま頷いた。
*
はじめこそ途切れまくる会話だったが、話していくうちに、善人オーラが溢れまくっているおかげで慣れた。
はえー鬱くんとは違うね(煽り)
歩きながら聞いたが、どうやら彼はロボロくんと泊まる部屋が同じなんだそうで。
同じ工作コースだから、折角だから一緒にと話が運んだらしい。一応ロボロくんは、私がいいって言ってくれたら…なんて言ってくれてたみたいだけど。
私のことは気にしなくていいんだけどなぁ、優しい人だ。
『えーと、ごめんなさい。初っ端かなり驚いてしまって』
「いえ、こちらこそ説明不足でしたし気にしないでください」
いや対応が大人。
今まで話したことのないジャンルの人だなと思いつつ、ただ歩く。思えば、ふらふら探さずにコースの集合場所に行きゃよかったな…。
目的地まで近づけば、ロボロくんがこちらに気づいて手を振ってくれている。
こう見ると弟が出来た感強い。これ言うときっと怒られるが、身長的に少し可愛らしいと思ったのは内緒である。
「すまへんなエミさん、急に頼んでしもて」
「ええですよ、近くにいましたし」
親しげに話す2人。とんとんと進んでいく会話は聞いているだけでも楽しくて、エミくんも所々訛りがまじりだしている。
クラス違うし、なんなら私達A組とD組は遠いのに。仲がいいんだなとぼんやり思う。
「Aさん、どうかしました?」
『…へ?っ、ごめんなさい!聞いてなかった…』
「いや大丈夫やで。先生呼んではるし行こか、って」
『あ、なるほど…すいません、行きましょ』
とんとん、と肩を叩かれてようやくハッと顔を上げた。エミくんが心配そうにしているのに大丈夫ですよ、と笑って返して、ロボロくんの後をついていく。
というか女子の視線がなんか刺さるけれど…
…あ、今思い出した。エミくんもたしか生徒会なんだっけ……??わたしやべ。
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森樂(プロフ) - ライアさん» 名推理!わかっていただけて安心しました、大正解です!! (2020年12月25日 6時) (レス) id: 319bfda70e (このIDを非表示/違反報告)
ライア(プロフ) - なるほど、名探偵のようなポーズ…実写動画でのお決まりポーズですよね?! (2020年12月24日 22時) (レス) id: a00b590788 (このIDを非表示/違反報告)
森樂(プロフ) - 小豆さん» 私も美術部員ですこんにち((ありがとうございます、引き続きよろしくお願いします!! (2020年12月23日 21時) (レス) id: 319bfda70e (このIDを非表示/違反報告)
小豆 - 同じ美術部員ですどう(((めちゃ神作ですね!!(確定)これからも更新応援しています! (2020年12月23日 11時) (レス) id: 73726d907e (このIDを非表示/違反報告)
森樂(プロフ) - つむ(^p^)**さん» ありがとうございます嬉しいです(号泣)作品の展開的にキャラに偏りありますが続々と出せていけたらなと思うので(願望)これからもどうぞよろしくお願いしますー! (2020年12月21日 15時) (レス) id: 319bfda70e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:森樂 | 作者ホームページ:https://twitter.com/Sinra_ura_d?s=06
作成日時:2020年12月3日 23時