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You side
私がそういうなり彼は詰めていたらしい息をはぁ、と吐いて安心したように笑う。いや、正確には顔は見えないので笑ったような気がしただけ…だけど。
「良かったぁ、絵上手なんやなAさん。思わず見入ってたわ」
『うぇ』
思わずメモ帳を持とうとしていた手が固まる。そんな純粋な褒め言葉久しぶりに聞いた気がするけど！！
自分があまり人に絵を見せないからだということに気が付いたのはもう少しあとだが、少なくともまだラフにも満たないものに対して褒めてくれているという事実になんだか歯がゆい気持ちになる。
心を落ち着かせて、はあ、と深呼吸をして。取り敢えずお礼は言おうとロボロくんの方を向けば、首を傾げられる。
男子でこの行動が様になる人ってなかなか居ねぇよな。私が知ってるのはらんらんくらいだぞ……ん？生徒会じゃん…強…。
逸れていく思考に鞭を打ち、もう一度息を吐いて、
『えーと、ありがとう』
そういえば、ぽっ、なんて効果音がつきそうなほどに微かに顔を赤らめるロボロくん。やっぱり女子慣れしてないんだねぇ…？
顔を逸らされ、こちらに聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声で「どういたしまして…」と言われて、なんだか笑ってしまう。
久しぶりにちゃんと男子のクラスメイトと話したけど、彼でよかったなぁなんて。
あれロボロ顔赤くね？ヒュウ！お似合いじゃん！なんて揶揄われている彼を見て、そう思うのだった。
*
放課後。美術室で一人、イーゼルとそれに立て掛けられたキャンバスに向き合う。
このイーゼルは去年いた先生の私物ではあるが、絵に熱心になってくれるのは嬉しいのよ、なんて育児休暇中であるにも関わらず学校に置いてくれている。
なんだかいつもより手が動く気がする。
今日あった出来事を思い出そうとして、まず浮かぶのはロボロくんだ。
夕日の空に、一枚の布面が舞う。
川に反射するそれらを背中に、背丈の小さな男の子が立っている。逆光でその表情は見えないものの、笑っているのだろう、と思うのは、きっと彼がいつも賑やかで居てくれるからだろうか。
頭の中に、情景が浮かぶ。
ここまで鮮明に浮かんだのは久方ぶりで、思わず頬が緩んだ。
勢いのまま描き進めていれば、美術室のドアが開く音。振り返れば、顧問のくられ先生だ。
『先生。こんにちは』
「おぉこんにちは…って。ありゃっ珍しい、絵がすっごい速さで描かれてる。…もしかしてなんかいい事あった？」
『！…ふふ、内緒です』
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森樂(プロフ) - ライアさん» 名推理！わかっていただけて安心しました、大正解です！！ (2020年12月25日 6時) (
レス) id: 319bfda70e (このIDを非表示/違反報告)
ライア(プロフ) - なるほど、名探偵のようなポーズ…実写動画でのお決まりポーズですよね？！ (2020年12月24日 22時) (レス) id: a00b590788 (このIDを非表示/違反報告)
森樂(プロフ) - 小豆さん» 私も美術部員ですこんにち((ありがとうございます、引き続きよろしくお願いします！！ (2020年12月23日 21時) (レス) id: 319bfda70e (このIDを非表示/違反報告)
小豆 - 同じ美術部員ですどう(((めちゃ神作ですね！！（確定）これからも更新応援しています！ (2020年12月23日 11時) (レス) id: 73726d907e (このIDを非表示/違反報告)
森樂(プロフ) - つむ(^p^)**さん» ありがとうございます嬉しいです（号泣）作品の展開的にキャラに偏りありますが続々と出せていけたらなと思うので（願望）これからもどうぞよろしくお願いしますー！ (2020年12月21日 15時) (レス) id: 319bfda70e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：森樂 | 作者ホームページ：https://twitter.com/Sinra_ura_d?s=06
作成日時：2020年12月3日 23時
