story 34 ページ35
「母様がいつも使ってる棚の一番下の引き出しに箱があるの。その箱を開けたら一通の手紙が入ってる。母様が死んで動かなくなったら、すぐにここから逃げなさい。猗窩座さんや童磨さんに会っても、黙って2人で逃げるの」
「なんで?あかざもどうまもいいひとだよ!」
「...そうね。でも無惨様が何を命令するかわからない。人間と鬼の要素を持った2人を殺してしまうかもしれない。まだ2人は、母様と父様のところには来てはダメだから。だから、何があろうと逃げなさい。わかった?」
2人が童磨さんと猗窩座さんを信頼しているのはわかってた。彼らも本心で可愛がってくれていたはずだ。でも所詮、彼らも鬼。無惨様に命令されれば、私の命だけでなく、2人の命も奪いかねない。そんなことはさせない、絶対に
「そのおてがみ、どうするの?」
「その手紙は肌身離さず持っていて。そしてもし、炭治郎、という人間の少年に会ったらその手紙を彼に渡して欲しいの」
「たんじろう...?だあれ?」
「...母様を助けようとしてくれた、優しい人よ。彼だけは鬼だからと言って話を聞かずに殺すような人じゃないから。でも、万が一のことがあったらいけない、だから私によく似た瑠都、瑠都が1人で渡すの。瑠花はどこかに隠れていなさい。渡し終わったら、2人で幸せに暮らすの。人を食べてはダメよ、絶対に。母様との約束、守れる?」
私はそう言って2人の前に両手の小指を差し出した。すると2人は顔を見合わせて決意したような目をして頷き、私の小指と自分たちの小指を絡めた
「指切りげんまん」
「うそついたら」
「はりせんぼんのーます」
「「指切った」」
指切りげんまんをして、力が抜けてしまった私はその場に倒れ込む。瑠花と瑠都がかあさま!!と叫んでいるが、反応する元気がない。小さな手が私の手をきゅっと握る
「かあさま...」
「まだ、まだいっしょにいよう?」
「...ええ...そう、ね」
あと一晩、あと一晩だけ
神様......
累......
私に力をください
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黛パフェ(プロフ) - 自分のことを愛して必要としてくれる累を最終的に選んだ、ということになります。もし累ではなく炭治郎と先に出会っていたら炭治郎を選んだと思います!というような感じです! (2021年10月27日 18時) (レス) id: 8c9d1a6f15 (このIDを非表示/違反報告)
黛パフェ(プロフ) - ありあさん» 作品を読んでくださり、ありがとうございます。私の中では、人間の自分を助けて必要としてくれた累に依存してしまっていて好きだと思い込んでいる時に炭治郎に一目惚れをしてしまった、という感じですね。炭治郎が夢主を好きだというのを夢主は知らない訳ですから (2021年10月27日 18時) (レス) id: 8c9d1a6f15 (このIDを非表示/違反報告)
ありあ - とても面白かったです。一つ疑問に思ったのが炭治郎に一目惚れしたのに地獄で累にあった時恋焦がれていたと書いてあります。ということは夢主は二人を同時に好きだったということですかね? (2021年9月20日 16時) (レス) id: afb0d23f81 (このIDを非表示/違反報告)
黛パフェ(プロフ) - あやりんさん» 見てくださってありがとうございます。地獄でもラブラブしてて欲しいです笑。本当にありがとうございました! (2020年7月24日 19時) (レス) id: d3f83fb575 (このIDを非表示/違反報告)
あやりん - 感動しちゃいましたーー!!(泣)地獄に、堕ちて、会うなんて。。。もう泣くしか無い!!! (2020年7月24日 17時) (レス) id: 5191a250c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:パフェ | 作者ホームページ:
作成日時:2019年8月14日 12時