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story 18 ページ19

貴方side


「、ろ...きろ、起きろ、人間」

「ん......」


身体を強く揺さぶられて目を開けると累の糸に乗って私を見下ろす人がいた。いや、この人は人ではない。累よりも強い鬼の気配がする。じっと彼を見つめていると、ふっと軽く笑った


「累のお気に入りはお前か」

「あ、なたは?」

「......名乗ってもお前にはわかるまい」


面白いとでも言いたいような目をしながら笑ったその鬼は身体中に巻かれている累の糸を切って私を抱き上げ、優しく地上に下ろしてくれた。だが私の頭の中には累に怒られてしまうかもしれないという焦りが生まれる。顔色が悪くなった私を見た鬼はふっ、と嘲笑うかのような声を出した


「累が怒ることはない。この森に私が来たことにもう気づいているだろう。そしてお前を解放したことも」

「怒らないって、なぜわかるのですか?それに貴方はなぜ私を...?」


そう問いかけるも鬼は何も言わない。何か意図があるのかそれとも気まぐれか。それさえもわからないのだ。じっと私を見つめるだけの鬼は急に右手で私のお腹を優しく撫でた。驚いて離れようとしたが片腕で動きを固定されてしまったためにされるがままになるしかなく、鬼の動きが止まるのを待つしかなかった


「......また迎えに来よう」

「え、?」

「早く行け。累が死んでしまってもいいのか?」


累が死んでしまうとわかっているような口調でそう言った。私はその言葉を聞いて血の気が引いていく。愛してくれる人を失うのは嫌だ。好きだと感じたを人が殺されてしまうのは嫌だ。私は鬼が指を指した方向に向かって全力で走り始めた


累、死なないで


そしてもう誰も殺さないでよ

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黛パフェ(プロフ) - 自分のことを愛して必要としてくれる累を最終的に選んだ、ということになります。もし累ではなく炭治郎と先に出会っていたら炭治郎を選んだと思います!というような感じです! (2021年10月27日 18時) (レス) id: 8c9d1a6f15 (このIDを非表示/違反報告)
黛パフェ(プロフ) - ありあさん» 作品を読んでくださり、ありがとうございます。私の中では、人間の自分を助けて必要としてくれた累に依存してしまっていて好きだと思い込んでいる時に炭治郎に一目惚れをしてしまった、という感じですね。炭治郎が夢主を好きだというのを夢主は知らない訳ですから (2021年10月27日 18時) (レス) id: 8c9d1a6f15 (このIDを非表示/違反報告)
ありあ - とても面白かったです。一つ疑問に思ったのが炭治郎に一目惚れしたのに地獄で累にあった時恋焦がれていたと書いてあります。ということは夢主は二人を同時に好きだったということですかね? (2021年9月20日 16時) (レス) id: afb0d23f81 (このIDを非表示/違反報告)
黛パフェ(プロフ) - あやりんさん» 見てくださってありがとうございます。地獄でもラブラブしてて欲しいです笑。本当にありがとうございました! (2020年7月24日 19時) (レス) id: d3f83fb575 (このIDを非表示/違反報告)
あやりん - 感動しちゃいましたーー!!(泣)地獄に、堕ちて、会うなんて。。。もう泣くしか無い!!! (2020年7月24日 17時) (レス) id: 5191a250c9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:パフェ | 作者ホームページ:   
作成日時:2019年8月14日 12時

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