好きになっちゃいけない人。2

69 ページ19

先輩達に連れてこられたのは体育館倉庫。




女「あのさぁ、アンタが亜嵐と一緒に住んでるってやつ？｣




『、、、、っ。』




やっぱり。亜嵐くんの名前が出てきて私の嫌な予感は的中。




きっとこの人たちも亜嵐くんのファン。




逃げたい。




けど逃げられない。





自然と震える私の足。




『そう、、、です、、、けど。でも、、付き合ってはいないんです。』




私は声を振り絞って何とかそう言う。




付き合ってはいない。




たまたま私に声をかけてくれた人が亜嵐くんのお父さんだったわけで。




女「別に付き合ってるとか付き合ってないとかそういうこと聞いてるわけじゃないんだけど。｣



『っ』




1歩、また1歩と私に近づいてくる先輩達。




女「もう1回言うよ？亜嵐と一緒に住んでるんだよね？｣



『、、、、。』




女「どうなのよっ！｣




体育館倉庫に怒声が響き渡った。




思わず体が強張り目をギュッと瞑る。




私はただ亜嵐くんと一緒に住んでる。本当にただそれだけ。




特別な関係でも何でもない。




女「何も言えないんだ。｣




そう言われても顔を上げられない私。



するとガチャッと体育館倉庫のドアが開いた。




私はてっきり誰かが助けに来てくれた。そう思った。





だけど。




男「わりーわりー。遅くなっちまった。｣




女「ほんとに遅いよ！｣




男「んで？誰？タダでやらせてくれるってのは。｣




入って来たのはこれまた知らない男の先輩達。





今の会話に私の頭はもっとパニック。




女「この子。タダでやっていいよ。あ、写真は忘れないでね？｣



女「30分くらい経ったらまた来るから。じゃあ楽しんで？｣




女の先輩達は笑いながらそう言うと体育館倉庫を出ていってしまった。




男「えーめっちゃ可愛いじゃん。｣



男「こんな子とタダでやれるなんてラッキー。｣



私に近づいてくる数人の男の人たち。





私の目からは涙が溢れて止まらない。




『っ、、、いやっ、、、、。』




逃げなきゃ。




逃げなきゃ。




私は勢いよくその人達をかわしてドアを開けようとした。



男「ダメだよー逃げちゃ。俺らまだ楽しんでないじゃん。｣



男「そーそー。ね、名前なんて言うの？｣




『いやっ、、、、！』




すぐに手首を捕まれマットの上に倒される。




いやだ。いやだいやだ。



『お願いっ、、、、やめっ、、、、！』

70→←68

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す