□44 ページ44
.
「この人」
スマホに写っているのは、俺とAが
話している写真。
仕事中にケータイ使って挙句に
人のこと盗撮してんのか。
.
「どんな関係なんですか？」
平野「関係ある？」
自分でもびっくりするくらい冷たい声が出た。
平野「俺がどんな人と話してようがアンタには関係ないよな？」
「…ちが、私は」
平野「何？言い訳？聞かねーよ？」
.
俺のことだけ質問されるんだったらまだ耐えられた。
でもAまで巻き込まれるなんてたまったもんじゃない。
.
ここまで行動力のある女だったら
次、Aがここに来た時に問い詰めかねない。
受付だし、時間が合えば絶対Aと鉢合わせる。
.
どうせ決め付けで「平野くんと付き合ってるんですよね？」とか聞くんだろ。失礼にも程がある。
.
平野「話す必要ある？彼女のこと傷つけられても困るから言うけど、取引先の会社の人だから」
冷たい声、冷たい口調のまま話す。
目の前にいる受付嬢の顔が段々と曇っていく。
.
平野「アンタ同期だよな？入社式で他の女子に『私受付嬢だからあなた達とは違うの。ブスは私の邪魔しないでね』って言ったんだろ？思い出したよ」
.
話してて思い出した。
コイツ、同期の女子社員に受付嬢採用が容姿で選ばれたからの調子に乗ってマウント取ってたんだ。ドン引きした記憶があるから微妙に覚えてる。
平野「俺、アンタの名前知んねえけどあんまりこういうの酷いようだったら会社に言うから」
.
そう言うと受付嬢はへへ、と気持ちの悪い愛想笑いをして逃げようとした。
.
永瀬「おい」
ずっと黙っていた廉が口を開いた。
永瀬「その写真、今すぐここで消せ」
…廉のこんな声、初めて聞いた。
受付嬢は震える手で写真を消した。
.
続く (更新停止中)
お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←□43
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 402人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ski | 作成日時：2020年3月26日 21時
