□05 ページ5
.
永瀬「俺がかける！って言いたいところやけど、ここは紫耀やんな」
Aのカレシやったわけやし。
悪気なく小声で付け加えられた言葉に胸がチクリと痛んだ。
平野「あー緊張する」
永瀬「終わったら代われよな」
平野「わーったって」
名刺に書いてある番号を打ち込んでいく。
2回くらい深呼吸をして電話をかけると、
3コール目で繋がった。
「…神宮寺です」
まだ俺の名刺に書いてあった電話番号は登録されてないんだろう。
知らない番号からかかってきて不安げな声が聞こえてきた。
平野「平野です」
「平野…ああ！平野さん！あの、さっきは本当にごめんなさい！私と平野さんと永瀬さん？どこでお会いしたことありましたっけ！？」
平野「え、えっと…」
「あんなイケメンなお2人、一度会ったら忘れるわけない！って思ってるんですけど、仲良くさせて頂いてたんですよね？小学生の頃とかですか？」
思いもよらなすぎる展開に返答に困っていると、
隣で廉が不思議そうな顔をしてこちらを見てきた。
Aは高校の時もこういう子だった。
自分が悪いと思ったことは少しも疑うことなく自分を悪者にする。
今回だって、忘れてる自分が悪いと思ってる。
一度興味を持ったことは問い詰め続ける。
思ったことをすぐ口にする。
今は電話だから表情は見えないけど、表情豊か。
そして、人と距離を縮めるのが上手い。
「あれ？もしもーし」
永瀬「お前、貸せ！」
痺れを切らした廉が俺から携帯を奪い取った。
永瀬「お電話代わりました永瀬です〜」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 402人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ski | 作成日時：2020年3月26日 21時
