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鈍器で頭を殴られたような衝撃に襲われた。
何が起きたのか全く分からない。
「あ、名前は合ってるんですよ?
でもどこかでお会いしたことありましたっけ?」
新手のドッキリかと思ったけど
飄々と答えるAは嘘をついているようには見えない。
…俺らのことを忘れてる?
いやいやそんなわけない。
…とは、言いきれない。
永瀬「は…なんでなん!?俺らのこと忘れたん!?」
「…えっーと」
永瀬「俺やで!?永瀬廉!コイツは平野紫耀!あとAの友達のサトウと4人で仲良くしとったやん!」
Aの顔に戸惑いの色が滲む。
Aの隣にいるAの上司っぽい方も
唖然としている。
隣の部長のことは、
怖くて見れない。
Aに掴みかかる勢いでまくし立てる廉とは違い、
俺は何を言うことも出来ずにいた。
何も言えなかった。言葉が出なかった。
声が出なかった。
永瀬「ほんっっまに覚えてへんの?俺は、紫耀は、俺らは、1日足りともAのこと忘れたことないで!?」
部長「永瀬!いい加減にしろ!」
ゲンコツが飛んできそうな勢いの
部長の怒号で廉は我に返ったように静かになった。
まだなにか言いたそうにもごもごしてる。
部長「すみません、よく注意しておきますので」
「あ…いえ、」
未だに戸惑いを隠せていないAが遠慮がちに首を振る。
Aの上司らしき女性はAの背中をポンポン優しく叩いた。
「では、名刺交換の方を」
Aの上司らしき女性の合図で、
名刺交換が始まった。
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作者名:ski | 作成日時:2020年3月26日 21時