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「美味しいですね!」
永瀬「なら良かった!」
美味しいそうにピザを頬張るAは、
いつか見た俺の記憶の中の彼女と重なった。
「あ、で、私とお2人っていつお会いしたことあるんですか?」
永瀬「え?…あっ!」
隣で廉がどうやって誤魔化そうかと
目をキョロキョロさせてるのが伝わってくる。
これは困った。
「中学高校大学じゃ無さそうですよね?」
平野「…え?」
これは完全に、本格的に忘れられてる。
「…もしかして違いました?
私、幼稚園から高校までの卒アル無いんですよ。
無くしちゃったみたいで確認のしようがないんですよ〜」
あははー、ほんとバカですよねえって
笑うAに少し…どころか結構驚いた。
卒アルを無くす?
平野「無くし…ちゃったんですか?」
「そうなんですよ〜。間違えて捨てちゃったのかな」
永瀬「記憶は、あるんすか?」
廉、ナイス!
ナイス質問!
でもこれ、記憶あるって言われても
記憶ないって言われても傷つくなー。
結果的に俺らのことは全部忘れてるんだから。
永瀬「その…高校時代の友達とか元カレとかの記憶」
どっちにしろ傷つく未来は見えてるはずなのに、
心臓が張り裂けそうなほど緊張している。
それは多分廉もだ。
「ある程度はありますよ」
自信たっぷりの返事が帰ってきた。
そんなに自信たっぷりなら、
なんで俺らのことは覚えてない?
永瀬「…詳しく教えていただけたり、しますか?」
「詳しく、ですか?そんな面白い話じゃないですよ…高校女子高でしたし」
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作者名:ski | 作成日時:2020年3月26日 21時