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永瀬「雨強なってきたな」
と、廉がオフィスの窓を見ながら言った。
確かに雨足は強まってきてる。
部長「永瀬!平野!」
ボケっとしてると部長に声をかけられた。
やべえ、仕事してないのバレた。
慌てて仕事を続行しようとすると
「ちょっとこっちこい」と言われた。
え、呼び出されるほどのことか?
廉と恐る恐る部長の元へ向かう。
部長「2人には俺と一緒に新しいクライアントの接待をして欲しい」
てっきり説教されるかと思ってたから拍子抜け。
隣で廉もポカンとしている。
あほ面だ。
部長「クライアント先からいらっしゃってるのは2人とも女性だから、お前らのルックスと愛嬌で何とかしてくれ」
永瀬「は、はあ?」
明らかにおかしな理由だし意味わかんねえし
普通こういうのってこっちと相手側、
同じ人数でやるもんじゃねえのかよ!
そんな抗議をできる訳もなく部長から簡単な説明を受けて資料を読む。
にしても簡単すぎるだろあの説明。
いくら隣でニコニコ笑ってるだけでいいからって急に決めてやらせることじゃないだろ。
もうそろそろ来るはずだから、と言い残し
部長は部屋を出ていった。
多分エントランスに来るクライアントの方を迎えに行ったんだろう。
永瀬「部長雑すぎちゃう?」
平野「だな。ほんとに隣にいるだけでいいのかよ…」
これから始まる地獄の時間を想像しながら項垂れていると部屋のドアが開いた。
俺たちも立ち上がる。
ドアの方に身体を向けると、まるで時が止まったかのような感覚に陥った。
視線はそのままクライアントの…女性から離せない。
部長「本日はどうも…」
部長の挨拶も聞こえない。
隣の廉も硬直しているのが分かる。
平野「A!A、だよな?」
「…え?」
平野「Aだよな!?な?」
やっとだ。やっとこの日が来た。見つけた。
でも、彼女の口から出てきたのは驚きの言葉だった。
「…失礼ですが、どなたですか?」
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作者名:ski | 作成日時:2020年3月26日 21時