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…その日以降、なんとその人は夜勤帯のの時間にちょくちょく来てくれるようになった。

クーポンの引き換えに来てくれたり、また魔剤買ってったり、市販じゃなくてドリッパーの方のコーヒー買ってったり。人気のない深夜であることや、私がお兄さんの顔を見ても嫌な顔をしなかった(というかする要素がなかった)ことが功をなしたのか、お兄さんは顔を隠さずに来店してくれる。
マ、誰だってあんな常に息苦しい格好で外出したくないもんね。そういうお客さんが、唯一顔を出しても大丈夫なんだって安心できるお店だと認識してくれてるならこの上ない幸せだ。私個人としても、(私的)美しい顔面を拝めて最高に頑張れるし。

そんなある日、またお兄さんがやってきた。時刻は午前3時を過ぎた頃だった。

しかしお兄さん、フラッフラである。某ピンクの片足立ちの鳥の曲が頭の中で流れるほど。泥酔してるのかな、と思ったけど、チラッと見えた顔は真っ白で目の下には酷い隈があるように見えて、ああ疲労でああなってんだ、と悟った。

しばらくして、お兄さんはレジに魔剤とコーヒーを持ってきてやってきた。
いつも通りのラインナップなのだが…なんというかお兄さんは今にも死にそうな顔をしていた。毎度、✟選ばれしものしか持てないカード✟で支払いをするくらいなので、お金持ち?なのだとは思う。
が、それにしたって来る度見る度疲労困憊なのはなんだか…勤め人なのか自営業なのかはわかんないけど、こき使われてたり辛い思いしてるんじゃないかと勘繰ってしまう。このお兄さん疲れ過ぎて世を儚んで自決…とかしないよね?と一抹の不安を覚えた私は、レジ業務は終えてレシートを出しながら、思わずマニュアルの声掛け以外の言葉をかけていた。
「あの…お客様」
「!」
「だ、大丈夫ですか?顔色が…あんまり良くないように見えるんですけど…」
「あ、…ああ、大丈夫…デス」
「…。えっと…お会計終わってるのに、余計なお世話だと思うですけど…あんまりカフェイン取り過ぎたら体壊しちゃうので、気をつけてくださいね」
「へっ?」

お兄さんは私の言葉に猫みたいな目を丸くして顔を上げた。…ウン。やっぱりアジアンビューティーなイケメンだ。こんなイケメンが自決しちゃうとか体調崩して死ぬとか世の損失になるでしょ。

「…ご来店してくれる時、いつもお疲れの顔でコーヒーとかエナジードリンクばかり買っていかれるので…その」
「…」

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Kyoro丸。(プロフ) - 超面白いですね(笑)主人公の性格が癖強くて好きです(笑) (2023年2月11日 13時) (レス) @page13 id: ea6fdef67d (このIDを非表示/違反報告)
icchy(プロフ) - はじめまして!めっちゃおもしろくてハマりました✨是非どんどん続編期待してます!! (2023年1月9日 21時) (レス) id: 1c7a9fb991 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:怪人百面相 | 作成日時:2023年1月6日 15時

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