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ご迷惑をおかけしました、と言おうとしたが、息の吸い方が悪かったのか蹴られた場所に鋭い痛みが走り、息ができなくなってしまった。
青年…マイキーさんは「大丈夫か」と言うと私の背中を摩る。

「蹴られたって言ってたな。どこ?」
「こ。ここ、です…」
「ホントだ。足跡ついてる。…捲るぞ」
「ふ、ひ、は、はい、」

痛みと苦しさで羞恥心がぶっ飛んでいたため、マイキーさんに服を捲られても何も思わなかった。マイキーさんは私の服の下、蹴られた箇所を見て少しだけ顔を顰めた。そして捲った部分をそっと戻すと私の顔を覗き込む。

「…息吸うと痛い?」
「は、い」
「…多分、折れてンじゃねえかな。ヒビか完全に折れてるかは、わかんねーけど」
「は…」
「立てる?」
「はい…」
「あ、待って。靴、壊れてんね。とりあえず、ココんとこまでおぶってく」
「い、いえ!それは流石に、申し訳ないですし」
「でもヒール折れてるし、靴履けねーだろ?」
「裸足でいいかなって…」
「ばっちいぞ」
「うっ」

ゆっくり手を引かれて階段を登り、踊り場に出る。マイキーさんはそこで私に背を向けて屈むと、背中を差し出し「ホラ」と言った。
何というか、マイキーさんは静かで優しいけれど、有無を言わせない雰囲気がある。その雰囲気に呑まれ、私は壊れた自分のヒールとレジ袋を持ったまま、おずおずとその背中に乗っかった。

「すみません。ありがとうございます…」
「いーよ。気にしないで」
「お、重くないですか」
「全然。軽すぎる」

そう言って歩き始めると、階段を登り始めるマイキーさん。
ありがたさと罪悪感が綯交ぜになって、また泣きたくなった。



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Kyoro丸。(プロフ) - 超面白いですね(笑)主人公の性格が癖強くて好きです(笑) (2023年2月11日 13時) (レス) @page13 id: ea6fdef67d (このIDを非表示/違反報告)
icchy(プロフ) - はじめまして!めっちゃおもしろくてハマりました✨是非どんどん続編期待してます!! (2023年1月9日 21時) (レス) id: 1c7a9fb991 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:怪人百面相 | 作成日時:2023年1月6日 15時

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