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チン、と音がしてエレベーターが止まる。
どうやら、私達が降りる階にやっと着いたようだった。体感的に実に長い旅路だったように思う。
開いたドアを背に「行くか」と少し笑った九井さんに頷くと、私は「ハイ!」と返事をした。





九井さんが使っているというオフィスを見せてもらったり、業務の説明も一通り終わった。
紆余曲折あった社内説明会も終わりが近づく中で、色々質問もしてこの会社へ就職するとして不安な点も解消できた。特に資格問題ね。私漢検くらいしか持ってないから。

実は九井さんも事務系の仕事はやるものの、そういう系の資格は持っていないらしい。

持ってなくても、知識をこれから詰め込んでいけば無くたってどうとでもなる。資格は勉強するにも資格という箔を得るのにも金は要るが、仕事に箔は要らない。仕事ができるかどうかが肝になる。

…という物凄くありがたい言葉を頂いて「九井さんが上司だったら絶対頑張れる」という気持ちが確信に変わった。

「…という感じだが、どうだ?もし嫌だったら、断ってくれても」
「働きたいです」
「えっ」
「働きたいです!ここで!」

即決かつ食い気味でそう言うと、九井さんは安心したように「そっか。よかった」と笑った。

「あ!でも面接とかって」
「あー…一応する事にはなる、のか?そこら辺は多分後日決めて、こっちから連絡するかもしれない」

まあでも面接はしなくて大丈夫だと思う、と言う九井さんに首を傾げる。
人を雇うわけだし、上の判断とかもいるんじゃ…と思い聞いてみたが、「オレの直属って事になるから、雇う時の判断の仕方とかは、オレの権限で選べるんだよ」ととんでもねぇことを言われた。ウーン完全に権力者のそれなんだよな。

スゲ〜!とバカみたいな感想を浮かべながら、私はそれに「わかりました!」と元気よく答えたのだった。




Aさん
就職先ゲットだぜ!ついでに傷のお兄さんの心も鷲掴みにした。無自覚。

鶴蝶さん
傷のお兄さん。気を遣われてるのかと思ったらそうじゃなかった。カッコイイって言われたのが純粋に嬉しかったし、一緒に働くのが楽しみになるくらいには心を鷲掴みにされた。Aさんが本格的に就活したら、九井さんの次に色々世話を焼いてくれるようになる。

九井さん
Aさんが無自覚イケメンムーブかまして鶴蝶を一瞬でオトしてしまったのでビビった。あと鶴蝶ばっか褒められてずるいと思って拗ねた。カワイイ男。

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Kyoro丸。(プロフ) - 超面白いですね(笑)主人公の性格が癖強くて好きです(笑) (2023年2月11日 13時) (レス) @page13 id: ea6fdef67d (このIDを非表示/違反報告)
icchy(プロフ) - はじめまして!めっちゃおもしろくてハマりました✨是非どんどん続編期待してます!! (2023年1月9日 21時) (レス) id: 1c7a9fb991 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:怪人百面相 | 作成日時:2023年1月6日 15時

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