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言われるまま選んで、私は無糖のホットティーを選んだ。それに九井さんは意外そうな顔をして首を傾げる。距離がレジで対応する時も近いので、首を傾げた瞬間サラッと銀髪が揺れ、そこからメチャクチャ良い匂いがしてビックリした。
「ミルクティーとかココアとかじゃねえんだ」
「あ、ハイ。甘いのは嫌いじゃないんですけど、得意でもなくて」
「へえ、意外だな。勝手に甘いもの好きそうとか思ってた」
「あー、よく言われます。何でですかねえ」
「ああ、Aさん女の子っぽくてカワイイからじゃね?」
カカ、と無邪気に笑う九井さん、トテモ心臓ニワルイ。
サラッとこういうこと言えるって、見た目もそうだけど中身までイケメンじゃん。ここが美醜反転の世界じゃなかったら、絶対モテモテやん九井さん。世のイケメン()たち、これを見習って欲しいわ。
…。
会計が終わり、店の外に出る。一月ともあってかまだまだ寒くて、息を吐くと白い息が出た。
「さびーな」
「ハイ。でも、九井さんがあったかいの買ってくれたので、凌そうです」
「ハハ。そりゃよかった」
そう言ってホットコーヒーを啜る九井さんはやっぱり様になっていた。いややっぱこの人が醜男って呼ばれるこの世界おかしいな?
「家、どの方向?」
「あ、あっちの方です。まっすぐ行って右に曲がったとこにあるアパートです」
「ああ、もしかして〇〇ハイツってとこか?」
「そう!そうです!」
そんな会話をしながら歩き始める私たち。
道すがら、九井さんにどんな仕事をしているのかとか聞いた。「ンー、不動産、いやコンサル系?」と疑問系で返ってきたので、それ以上は突っ込まないことにした。
逆に、私のことも少し話した。大学4年であることや絶賛就活中であることなどなど。その最中、やっぱり少し暗い話になってしまったのだ。
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Kyoro丸。(プロフ) - 超面白いですね(笑)主人公の性格が癖強くて好きです(笑) (2023年2月11日 13時) (レス) @page13 id: ea6fdef67d (このIDを非表示/違反報告)
icchy(プロフ) - はじめまして!めっちゃおもしろくてハマりました✨是非どんどん続編期待してます!! (2023年1月9日 21時) (レス) id: 1c7a9fb991 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:怪人百面相 | 作成日時:2023年1月6日 15時