修羅場再び ページ40
「着きました、ここが煉獄様のお屋敷です」
その声と共に、地に足が着いて、しゅるしゅると目隠しと耳栓が取られた。
「来たか!ご苦労!では家へ入ろう!」
敷地内から聞こえてきた、聞き覚えのある大声に顔を上げて横を見ると、そこには煉獄さん……
私はその言葉に無言で軽く頭を下げて、一礼して走り去っていった隠の人を見送る。
煉獄パパと千寿郎君はいないようだけど……中にいるのかな?というかまずパパ上は私のこと認めてるのか…?
うわぁ不安だな、邪険にされる確率8割くらいあるんだけど。
そう思いながらも、家の中に入って行く煉獄さんに続いて、私も煉獄家の敷居を跨いだ。
「……………」
うぅん、漫画で見たけどやっぱり外が凄い広い……
金持ちの地域行かないと、滅多に見れない立派な日本屋敷だった。
私はおずおずと玄関に入り、まだ履き慣れない草履を脱いでから、段差のある廊下へ上がり込んだ。
「俺と弟の他に、父上がいる!弟の名前は千寿郎だ!込み入った事情があるので、なるべく近付かないようにしてもらえるとありがたい!」
「え……あ、あぁ」
近付くなと言われて、まさかの反応にギョッとして煉獄さんを見たものの、すぐにその意味を察した。
………そりゃあ、いくらそれらしくないからと言って、仮にも私は人食い鬼だし、当たり前の隔離だ。
煉獄さんや煉獄パパはともかく、千寿郎君は剣の才能が無いとか言ってたし……万一の時、大変になるもんな…
「それから父上とも、拗れるので近付かない方がいい!」
「…?分かった…?」
拗れるって何がだろうと思いながら、コクっと頷く。
「では君の部屋は、屋敷の一番奥の部屋だ!荷物は運んである!」
「あ、はい」
腕を組んで仁王立ちしていた煉獄さんが、くるりと振り返って歩き出した。
………多分、部屋への案内だろうか。
家の中をさぞ物珍しげにキョロキョロと見回しながら、私は黙って煉獄さんに着いて行く。
「ここだ。今日はもう遅いから、詳しい話は明日する!君はもう寝たまえ」
「え…あ、はい」
「__それと、これからについて1つだけ」
少し声量を落とした煉獄さんの一言に、私は顔を上げる。
「君はこれから鬼殺隊に属す訳だが………決して人を襲わないと、食わないと約束してくれるか?」
その言葉に私は目を見開いて、一瞬口籠った。
が、そんなこと決まっているので…………黙って小さく頷き返す。
「___もしも、万一の時。俺は柱の責任にかけて、君の首を斬り落とさなければならない」
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楓音(プロフ) - 作品とても楽しく読ませて頂いています!初の登場時からずっと気になっていたのですが、「炭治郎」を「炭次郎」と書き間違えていたのが気になってご報告させて頂きました💦ご不快な思いをさせてしまったら申し訳ありません💦 (2022年3月22日 18時) (レス) @page6 id: 5a612b3e43 (このIDを非表示/違反報告)
むい推しの人 - 初コメです〜。一つ気になったことがありまして…。「連れていく」で登場した夢主ちゃんの服のことです。膝上の短い袴ってどんなやつですか?変に細かいところ気になってしまいました…すみません。長文コメ失礼しました! (2019年9月22日 14時) (レス) id: 00103e9837 (このIDを非表示/違反報告)
風雅(プロフ) - 初コメ失礼します。無惨の名を言うと殺されるという呪いは発動しないのですか?無惨に限って例外はないような気がするので。今後の展開が気になります!更新頑張ってください! (2019年9月3日 21時) (レス) id: 0b2ef933c6 (このIDを非表示/違反報告)
衣鶴奈(プロフ) - 14ページ目、悲鳴島ではなく悲鳴嶼だと思います.......物語は面白いので、更新頑張ってください! (2019年8月30日 2時) (レス) id: 8c5e0feeb8 (このIDを非表示/違反報告)
心(プロフ) - オチを宇髄さんに一票! (2019年8月27日 18時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れんり@3回目 | 作成日時:2019年8月22日 20時