鬼舞辻無惨を殴るまで【鬼滅の刃】

どういう意味 ページ39

「___お荷物は全て、煉獄様のお屋敷へお運びしますか？」

「うむ！そうしてくれ！」

「では……えっと、桜子様はどのように…」

「日には当たれぬ！そうだな……縮んだりは出来るか！」

「えっ！？あっ…多分、そういうのは無理かと…」

「分かった！では荷物だけ先に運び、彼女は日が落ちたら運んでくれ！」

「は、かしこまりました」




私そっちのけで、段々と進んでいく煉獄さんと隠の人の業務話……


あれから暫くして、準備を終えて部屋を訪ねてきた隠の人と煉獄さんが、ずっと襖の前で話し込んでいる。


…と思いきや、突然振り向いて私に声を掛けてきたことに驚いて、ドキッと心臓が跳ねる。


「では…桜子！」

「っ、ハイ！」


うわっビビリすぎて声裏返った…！！急に呼ばないでよ心臓に悪いよ…！


「夜になったら俺の屋敷に来い！夕餉を用意させておこう！」

「えっ、分かっ…りました。えっと…その屋敷って、家族の人も…？」

「あぁ！父上と弟が住んでいる！急なことだが……事情を話せば受け入れてくれるだろう！それに、もう烏を飛ばしているからな！」


そう言うや否や、「じゃあ！」と至近距離にも関わらず叫んだ煉獄さんは、ドマイペースにスタスタと歩いて行った……


恐縮したようにペコペコと頭を下げながら、隠の人もその後を追い、


「あっ待って」


と私が慌てて呼び止めると、ビクッと肩を跳ねさせて立ち止まった。


………あ、なんか悪いな……もしかしてこれ、私怯えられている……？？


ゆっくりと振り向いた隠が「何でしょうか…？」と恐る恐る、引き腰で聞いてくる。


「わざわざありがとう、忙しいでしょうに……ありがとうね」


多分、私の部屋にあった物ほぼ全てを運んでくれているだろう隠へ、感謝を込めつつ軽く頭を下げて言った。


「！？」


それに、驚いたように目を見開いた隠の人が、おろおろと慌て、やがて「いえっ」と焦ったような声で、頭を下げる。


タタタッと音を立てながら縁側を走り去って行った黒ずくめの背中を最後まで見送り、




「…………それにしても、アレはどういう意味だったこんだろう…」


取り残された私は、十数分前のことをふと思い出した。




___“君が見たと言うのなら、それは現実になるんだろうな”


煉獄さんが言ったあの言葉……どういう意味なんだろう。


鬼になる以前に、何かしらの関わりがあって、私に予知みたいな能力があったとか……？




「__煉獄さんにとって私は、どんな人間に見えていたのかな……気になるなぁ」

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