名前 ページ35
煉獄さんの後ろに着いて歩くまま、数分後には私はお館様の前に立っていた。
………まさか、2日連続で会うとは思ってなかったんだけど。
え、何用…何用で及びなんだ…??やっぱり君のこと処すことにしたよ、とか言われたら堪ったもんじゃないんだけど。
昨日の反応を思い出す限りそんなことはないよね…?と思いながら、
私は目の前に正座して穏やかに微笑むお館様へ目を向けた。
その横には例の白髪の子2人も座っていて、私の後ろにはまた柱がいる。
と言っても、9人全員ではなく___
「…義勇と蜜璃、それと無一郎は、今朝の内に任務で行ってしまったよ」
「今日は、君のことについて詳しく知りたいんだ。楽にしてくれていいよ」
「……私のこと?」
今そう言ったよね、この人……言った?いや、言ったね。
え、昨日の話は何だったんだあれ……あれで終わりじゃなかったのか。
いやあんなのじゃ終われないよな、うん。そりゃ色々聞かないと駄目だわ、よし何でも話そ…
…あっでも自分でも知らないこと多いからどうしよう、終わったかもしれない。
1人であれこれと考え込んでから、はっとお館様のお話中だったことを思い出して、私は声を出した。
「例えば……どんな…?」
そう言うと、お館様は「そうだね…」と呟きを漏らし、薄く口元を緩める。
「君の名前は、改めて、何と言うのか聞かせてくれ」
「名前…?天宮桜子…だと思うけど」
「思う?」
不思議げに聞いてきたお館様に、私はだって…と思いながら、静かにまた口を開いた。
「……人間だった頃は、別の名前だったかもしれない」
元の世界では、生まれた時から私は天宮桜子だったけど……
この世界では、私の生まれは2日前の夜よりずっと前だったかもしれないし、当然名前も違ったかもしれない。
そう思いながら、次のお館様の質問に………私はつい眉を潜めた。
「じゃあ次に___君はいつから鬼で、今までどうやって、過ごしてきたのかな」
___あ、それは知らねぇですね
記憶によれば、2日前からだけど……多分あの時の無惨様とのやり取り的に、もっと前だな。
しかも、上弦というか十二鬼月とはまた別だろうけど……目は掛けられていた気がする。
「………それを話す前に、1ついい…?」
数十秒どう言おうか考えてから、私がおずおずと聞くと「構わないよ」とすぐ優しい声が返ってくる。
よし、それじゃあ……足りない語彙力を駆使して……
「私が2日前くらいに、貴方達鬼殺隊に会う前の話……なんだけど___」
1124人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
楓音(プロフ) - 作品とても楽しく読ませて頂いています!初の登場時からずっと気になっていたのですが、「炭治郎」を「炭次郎」と書き間違えていたのが気になってご報告させて頂きました💦ご不快な思いをさせてしまったら申し訳ありません💦 (2022年3月22日 18時) (レス) @page6 id: 5a612b3e43 (このIDを非表示/違反報告)
むい推しの人 - 初コメです〜。一つ気になったことがありまして…。「連れていく」で登場した夢主ちゃんの服のことです。膝上の短い袴ってどんなやつですか?変に細かいところ気になってしまいました…すみません。長文コメ失礼しました! (2019年9月22日 14時) (レス) id: 00103e9837 (このIDを非表示/違反報告)
風雅(プロフ) - 初コメ失礼します。無惨の名を言うと殺されるという呪いは発動しないのですか?無惨に限って例外はないような気がするので。今後の展開が気になります!更新頑張ってください! (2019年9月3日 21時) (レス) id: 0b2ef933c6 (このIDを非表示/違反報告)
衣鶴奈(プロフ) - 14ページ目、悲鳴島ではなく悲鳴嶼だと思います.......物語は面白いので、更新頑張ってください! (2019年8月30日 2時) (レス) id: 8c5e0feeb8 (このIDを非表示/違反報告)
心(プロフ) - オチを宇髄さんに一票! (2019年8月27日 18時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:れんり@3回目 | 作成日時:2019年8月22日 20時