鬼舞辻無惨を殴るまで【鬼滅の刃】

初めての朝 ページ33

「まっままま…眩しい、眩しいな朝日…！？」


ここに来て、初めて迎えた朝___あまりの日の強さに、目が潰れそうだった。




目が覚めて、あぁ…朝か、と思った直後の出来事だ。


日が弱い立地の部屋のハズなのに、襖を開けてみれば眩い程の日の光に、私は両手で顔を覆って蹲った。


明らかに異常なこの眩しさ、例えるなら……そうだ、


昼間の自分の部屋で、目の前の壁一面にLEDライトを敷き詰めたような感じ。


多分異常気象でも日の光が強いワケでもなく、ただ単に鬼としての体ゆえの弱点が反映された結果……なのだろうけど、




「こ、これは無惨が日の元を出歩けないのも納得だわ……」





アニメで、禰豆子ちゃんが洞窟の中で穴を掘って隠れていたのも、この眩しさを感じていたからだったのか……


内心そう思いながら、開けた襖を閉め切って、顔をしかめながらいそいそと着替えをする。


服……は昨日のままだったのか。今日は小袖とスカートにしよう。


巫女服のような白赤の服に手足を通しつつ、何だかこの時代にしては洋風が多いタンスだなと首を捻る。


しかも、ちょっと大きいかもしれないけど、だいたい私のサイズにピッタリだし……色々謎な部屋だ。


「で、着替えたけど、どうしよう………外…にはあんま出たい感じしないし…」


部屋の中で、腰に手を当ててうーんと首を捻り……部屋の中を見回す。


誰か呼びに来ない限り、とりあえずは……気になるし、この部屋の本でも読んでいようかなぁ。


この時代の本って、文字逆さだっけ…？縦書き…横書き…？どんなジャンルの本があるんだろう……


読書好きとしては気になるなぁ、読んでみたいなぁ……大正時代の本、一回読んでみたかったんだよな。


「うーん…色も形もバラバラ、タイトル……も無いし」


本棚に寄って、とりあえず目に留まった無地で白い表紙の本を手に取り、何気なく開いてみる___




『九月十八日、晴


朝廷非公認ノママ、鬼殺隊創立。初年隊士27名。

初代当主、産屋敷耀。


目的、鬼舞辻無惨ノ打倒。』




そこまで読んでから、私は目を見開きつつバタンと本を閉じる。


「これ、って…………鬼殺隊の…創立誌…？」


そう呟いて、ふとその本を棚に戻し、隣の青い表紙の本を取って開いた。


………まさか、この棚の本って全部___




『十月二十九、晴


九名ノ剣士ヲ柱ニ昇格、始マリノ剣士ト命名。

将軍ニモ鬼ニモ勝ル複数ノ力、呼吸ト命名。


初代柱、始マリノ呼吸ノ剣士ト命名。


炎、水、雷、風、岩、鬼、日、月、天』

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