鬼舞辻無惨を殴るまで【鬼滅の刃】

でもさ私 ページ20

甘露寺さんがそう言ったことに、私は驚いて目を見開いた。


誰にでも優しくて甘い人だとは思ったけど………まさか、私にもそうだなんて……




「でも……私、人間とは体が違うと思うから、これ食べれるか分からないよ…？」




……と言った瞬間、甘露寺さんが固まった。


いや、訂正、炭次郎から甘露寺さんまで一列みんな固まった。そんな圧がする。


でも、たった今思い出したことだから仕方ない。


確か……かなり前に見たファンブックに、珠世さんが「鬼だけど紅茶だけ飲める」みたいなことが書いてあった。


私も鬼になったから同じ鬼のことを思い出していたけど、そういえば累の家族(仮)も食べ物は食べてなかったな………


「といっても、鬼になってから何も食べたことないから、どうなんだろう…？」


ボソッと呟いて首を傾げ、側にある膳の上のご飯を見つめる。


確かに、美味しそうとは思うけど…………食べたいとは、そこまで思わないな。


ここに来てから何日も食べていない身としては、有り得ないくらい食欲が沸かない。




「分からないなら、とりあえず食べてみれば？」


……と言ったのは、いつの間にか既にご飯を食べ始めている無一郎だった。




白米を口に詰めながら、首を傾げ無垢な水色の目で私を見つめてくる。


それに「確かに」と思い、私も茶碗と箸を取った。


「食べれなかったら、桃色の君にあげるね」

「えっ？いいの？ありがとう！」


本当に嬉しそうに笑う甘露寺さんを見て、なんか食べられなくてもいいわと思ってしまう。


あぁなんか、思ってたより声も顔も可愛いんだよなぁ……皆。近いし、尚更。


箸でご飯を掴み取って、恐る恐ると口へ運ぶ………




「………………………………」


あれ、味がしないぞ…？と顔をしかめ、


噛んでみても味は無い。ア、これって………………




「食べれるみたいだけど、味はないね」


試しに味噌汁も一口飲んでるものの、“液体を飲んでいる”という実感しかない。


うぅん………ご飯の美味しさを分かれないのは辛いけど、食べられないよりはマシか。


「鬼の味覚は人とは違うんですねぇ……だから人を食べるのでしょうか？興味深いですね……」


そんな私を見て呟いたしのぶさんが、しのぶ世界に入り込んでしまった。


「不味くはない…？」

「うーん…どうだろう……なんか柔らかい粒を噛んでるみたいな…変な感じ」


善逸からの心配そうな言葉にも、私はそう曖昧にしか分からなかった。



(最近ファンブック読んで鬼に味覚無い的な事が書いてあったので急遽修正)

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