鬼舞辻無惨を殴るまで【鬼滅の刃】

柱達の反応 ページ13

「皆、改めて……異論はあるかな」




……と、もう一度静かに聞くお館様。


いや、2回聞いたって意見変わんない人いると思うんですけど…


と思ったものの、もう何も言わずに口を閉じて、柱達の反応を待つ。


見てみると、なんか顔下げてる人や目を逸らしている人がいた。


いや……え？そんなに嫌なら嫌って言っていいんじゃないの…？


確か、炭次郎の時は皆「鬼は問答無用で殺すべきだ」的なこと言って、お館様に突っかかってたハズなのに……



「……俺は、いいと思う」




ふと…静かな低いで誰かが言った。トーン的に……冨岡さん？


思わず冨岡さんの方を見ると、お館様の方を向いていた青い目が、じっと私を見つめた。


「私もぜんぜーん異論ありません！」


対して明るく跳ねるような声音は…恋柱。確か名前は甘露寺、だったか。


あ然とした顔のままそちらにも目を向けると、真顔だった冨岡さんに反し、私と目が合うとにっこりと笑った。


「他の者も無いようだね。では……」


2人以外の人達も特に反論は言わなかったせいか、お館様がそう言って、


裁判が終わる。


始まる前はあれだけ胸騒ぎと拒否感がした裁判が、あっさりと、後ろ髪を引かれるように………




「天元、桜子の縄を解いてあげなさい」

「…御意」




完全に事は済んだというその一言で、膝をつく柱のうちの1人が立ち上がった。


テンゲン…？あぁ、天元…音柱の宇髄さんのことか。


立ち上がった音柱が、足音すらせず無音で私の目の前まで歩いて来る。


私は縁側の上で、向こうは地面の上だというのに目線は私の方が低かった。


あぁ、198ってこんな感じなのか……そりゃ高いな、私は150少ししかないし。


「後ろ向け」


ふと、目の前に立った音柱が私を見下ろしてそう言った。


その顔を見上げポカンとしてから、すぐ意味を理解して素直に後ろを向く。


すると、後ろ手に縛られた左腕を掴まれ、手に巻かれた縄に微かに重みが加わり、


ブチンッ…と、強引に縄を断ち切るような音がした。


「わッ」


その衝撃で、体が後ろに傾いたものの、後ろから伸びた手に背中を支えられ、バランスを取り戻す。


今まで自由の効かなかった両手が力なくぶら下がって、ぐーぱーぐーぱー開閉して、振り向いた。




「桜子、日に近いのは辛いだろう。屋敷の奥の部屋を使いなさい」


「え……あぁ、どうも…？」




お館様の子ども…らしい和服姿の子が私の前を歩き出したのに、案内かな…と思いながら、


私は初めて間近で見るその子の後へ続いた。

誰もが口にしない→←そういうつもりじゃ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す