アニキとして〜DH〜 ページ30
*
「あ〜、楽しかった。やっぱステージは最高だな」
なんて。
少し興奮気味に、呑気な事を言いながら楽屋に戻って来たヒョン。
「ヒョン!!」
「あん?なんだお前ら、まだいたの?
あ、お前ら見た?俺らのステージ!
てか、ハニのやつ上手くなったよなあ。なあヒョクチェ」
「う、うん…」
「ヒョン!何であんなことした?」
「なんだ?ドンヘ。何怒ってる」
「別に怒ってるわけじゃないけど…
けど、あの場にはヒョンのペンだって多勢いただろ。それなのに何であんなこと…」
「あんなことって?」
「とぼけんなよ!」
「おい、ドンヘ、やめろよ」
「ヒョクは黙ってろよ。あんなことして、ハニにもしなんかあったらどうすんだよ」
「あんなこと…?」
わざとらしく考えるふりすんなよ。ヒョン。ホントはわかってるんだろ?
「ヒョン…」
「ああ〜、あれか?最後の、キ、ス?」
口を尖らせて、まるでその感触を思い出すみたいに唇を指で撫でるヒョンに
無性にカラダが熱くなった。
「……わかってんなら何でした?」
「さあな…したいって思ったから?」
「したいって…生放送だぞ!全国、いや、全世界に発信される…」
「なんでお前が怒るんだよ」
「え?」
「ハニが怒るんならまだしも、何でお前に怒られなきゃならないんだ?」
「そ、それは…」
「お前、ハニのなんだ?親か?家族か?それとも…」
なんだよ、開き直りやがって…
「俺は…アニキとして…」
「は!アニキ!?アニキねえ…」
「ねえ、ヒョンもドンヘももうやめろよ。でもヒョン、あれは俺もやりすぎだと思う」
「なんだ、ヒョクまで。お前もハニのアニキ気取りか?」
「そんなんじゃ…」
「俺はな、誰かさんみたいに気づかないふりしてアニキ面してるヤツと違って
自分の気持ちには正直だから。やりたいと思ったらどこでだってなんだってする」
「どういう意味だよ…」
「さあな。わかんねえやつにはなに言ったって無駄だからな。
あー、せっかくのいい気分が台無しだぜ。お前ら、もう終わったんなら帰れよ」
「ヒョン…」
「うるせーな!帰れったら帰れ!!」
そう言い捨てて、ヒョンが足元の段ボールを蹴り飛ばした。
「ヒョン!」
「おい!ドンヘやめろ。本気で怒らせたら厄介だぞ。帰ろう」
「でも…」
「いいから!ヒョン、お疲れ様でした」
俺は無理やりヒョクに腕を引っ張られて楽屋から出た。
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さくらこ(プロフ) - まあさん» まあさん、初コメありがとうございます!絶妙だなんて(///△///) 自分ではもう、ない知恵振り絞ってる感じなんですが^^;2章に移行しましたので、引き続きおつきあいくださいね! (2013年10月23日 17時) (レス) id: fbd3e675d8 (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - ごんごんさん» ごんごんさん、コメントありがとうございます!そうなんですよね。ぶつければいいと思うんだけど…なかなか、うまくいくか…って感じです。2章に移行しましたので、引き続きおつきあいくださいね! (2013年10月23日 17時) (レス) id: fbd3e675d8 (このIDを非表示/違反報告)
まあ(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます。いつも絶妙な展開で楽しませて頂いてます(*^^*)これからのドンへの展開楽しみです(*^^*)さくらこさんのセンス大好きです!!! (2013年10月23日 0時) (レス) id: 9c0e6bd832 (このIDを非表示/違反報告)
ごんごん(プロフ) - ドンへさん自分の気持ちに気づいたならその気持ちをぶつけちゃって… いつも楽しみにしています^_^ これからの展開がとても気になります>_< (2013年10月23日 0時) (レス) id: 3fe715c8fc (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - ミイさん» ミイちゃん、いつもコメントありがとう〜ドンへ、そろそろ気づかなきゃダメよね^^;ヒチョルも絡んで複雑…です^^; (2013年10月16日 23時) (レス) id: a388da78b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mi*ku | 作者ホームページ:http://id41.fm-p.jp/390/cherryhae15/
作成日時:2013年10月3日 4時