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#07 ページ7

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その日は、雨だった。雨と言っても豪雨などではなく霧雨程度のもの。すこし肌寒くて傘をさすかどうか迷う程度の雨だった。でも野外撮影ではそれが邪魔で、体力をいつも以上に奪っていく。


「あー雨やまないかな」


ポツリとナムジュンが呟く。


「止まないなら、むしろ豪雨とかになってくれたほうがいいです」


それにジョングクは嫌そうな顔をして言う。


「確かに小雨だと撮影できちゃうもんね」


口々に言うメンバーの言葉に、俺は何でもいいから早く仕事が終わってくれと思うのみだった。それからも撮影をしては雨で中断したりとなかなか進まず、止みそうにない雨に今日は中止となった。


「やったー!久しぶりに早く終わった!」


嬉しそうに言うテヒョンにジミンも混ざり、ジョングクを巻き込み煩くなる。俺はそれを無視して傘をマネヒョンから借りる。少し出かけることを告げれば軽い返事が返ってきた。


「え、ユンギどっか行くの?」

「ちょっと」

「ちょっとって何?帰らないの?」

「え、何々?ヒョン、遊びに行くの?」


気付かれないうちにさっさと出ていこうと思ったのに、よりによってジニヒョンに見つかった。ジニヒョンの空気を読まないデカい声でマンネ達にも気付かれ、テヒョンが俺も連れていけと騒ぎ出す。


「遊びにいくんじゃねぇよ。息抜きだ、息抜き。ついてくんな」

「えー俺も息抜きしたい」

「ヒョンの息抜きって気になる」


適当にあしらってもジョングクも交じり俺にまとわりついてくる。鬱陶しいと思いながらも邪険にできない俺はやっぱりこいつらに甘いのかもしれない。しかし今回は別。それより大切なことだから。


「ちょっとその辺をぷらってするだけだから。缶詰にされて息が詰まったんだよ」

「ヒョンはいつも作業室に引きこもってるじゃん」

「好きなことしてる時はいいんだよ。いいから離れろ」


まとわりつくテヒョンの手を引き離して外へと出た。後ろの方でまだテヒョンの声が聞こえてきたが無視して歩き出す。最初より雨脚は強くなっていた。





早足で向かった先はAがいる孤児院。雨だからいつものようにピアノは弾いてはいないだろうが、顔だけでも見たかった。息が詰まっていたのは事実。雨が降って憂鬱だったのもある。だからAの、いつものふんわりとした笑顔が一目見たかった。それだけで癒される気がしたんだ。


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涼音1006(プロフ) - 藍さまのお話を読むと、しっとりした空気を感じたり、優しいメロディーが聞こえてくるようでとても心地良いです。1日の終わりにベッドの上でゆっくりと読み返すのが楽しみです。これからも応援しております!お身体にきをつけて下さい(*^^*) (2021年6月3日 20時) (レス) id: 12686616a5 (このIDを非表示/違反報告)
涼音1006(プロフ) - 藍さまはじめまして!「キミと奏でる〜」のキラピュアなユンギ氏と(←言い方)、「ひと夏〜」のチャラ甘で砂糖増量(←言い方!)なユンギ氏が最高すぎて、ここ数日で一気読みさせて頂きました♪続→→ (2021年6月3日 20時) (レス) id: 12686616a5 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 天然記念物さん» こちらこそ素敵なコメントありがとうございます。1番だなんて、そんな恐れ多いお言葉!嬉しい限りです。次回もキュンキュンできるような作品をお届けできるよう頑張ります。 (2018年8月20日 23時) (レス) id: 7c0b28e720 (このIDを非表示/違反報告)
天然記念物(プロフ) - とても面白かったです。今まで読んだ中で私的に1番キュンキュンしました!素敵な作品をありがとうございました。次回の作品も楽しみにしてます。 (2018年8月20日 22時) (レス) id: 70eef4ddd6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年8月12日 12時

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