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#06 ページ6

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それからも相変わらず仕事は忙しくて、俺はAのもとに歌を聴きに行けることは少なかった。それでも時間を見つけては訪ねて行き彼女の歌声を聴く。

同じ曲も違う曲も聞いた。歌詞がない曲も、彼女がセレクトする曲はどれも惹きつけられた。子どもたちにせがまれて、童謡やアニメソングなどを歌っている時もあった。それでもやっぱり彼女の歌声は特別だった。

そんなことを繰り返していたら、気付くと彼女の弾く曲を口ずさんでいることもあった。


「ユンギヒョン、その曲誰の曲ですか?」


興味津々といった感じでジョングクが突然俺に聞いてきた。


「なにが?」

「今、歌ってたじゃないですか」

「俺が?」

「無意識だったんですか?」


ジョングクの言っていることが分からず聞く俺にジョングク自身も首を傾げる。


「そうかも。全然意識してなかった」

「それだけヒョンの心に残ってるってことですね。少し聞いただけでもいい曲だって思いました」

「あぁいい曲だ。偶然、耳にしただけの曲だからタイトルとか作曲者とかは知らないけど」

「そうなんだーざんねん。俺も知りたかったです」

「悪いな」


悪いなんてちっとも思っていない。タイトルは知らないがAは覚えてなくて自分でアレンジを加えたと言っていた。だからもうあの曲はAの曲だと思っている。でも俺はそれを言いたくない。教えたくなった。どうしてもAの曲を独り占めしたいのだ。そんな自分の気持ちにくすりと笑う。なんだか最近、女々しい気がする。


「ヒョン…?」


突然、笑う俺にジョングクは驚いていた。けど話は終わりだとイヤホンを耳にさして、目を瞑る。でも音楽を聴いていても、脳内ではAの歌声が再生されていた。





「なんか、最近ヒョン楽しそうだよね」

「んー?ユンギヒョンのこと?」

「そう。さっき1人で笑ってたんだよ」

「え、怖い。ユンギヒョンが?」

「テヒョン、ヒョンに聞かれたから睨まれるよ」

「でもジミンもそう思うでしょ?」

「うーん…怖いとまでは思わないけど、機嫌がいいこと多いよね」

「ジミニヒョンもそう思います?なんか元気」

「元気、元気。MV撮影の時もなんかテンション高かったし」

「俺、疲れすぎてハイになってるだけかと思ってた。俺もそうだったし」

「テヒョンのとはまた別でしょ」

「きっといい曲に巡り合えたんですよ。さっき鼻歌歌ってた時、すごい柔らかい笑顔してました」

「え、やっぱり怖い」


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涼音1006(プロフ) - 藍さまのお話を読むと、しっとりした空気を感じたり、優しいメロディーが聞こえてくるようでとても心地良いです。1日の終わりにベッドの上でゆっくりと読み返すのが楽しみです。これからも応援しております!お身体にきをつけて下さい(*^^*) (2021年6月3日 20時) (レス) id: 12686616a5 (このIDを非表示/違反報告)
涼音1006(プロフ) - 藍さまはじめまして!「キミと奏でる〜」のキラピュアなユンギ氏と(←言い方)、「ひと夏〜」のチャラ甘で砂糖増量(←言い方!)なユンギ氏が最高すぎて、ここ数日で一気読みさせて頂きました♪続→→ (2021年6月3日 20時) (レス) id: 12686616a5 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 天然記念物さん» こちらこそ素敵なコメントありがとうございます。1番だなんて、そんな恐れ多いお言葉!嬉しい限りです。次回もキュンキュンできるような作品をお届けできるよう頑張ります。 (2018年8月20日 23時) (レス) id: 7c0b28e720 (このIDを非表示/違反報告)
天然記念物(プロフ) - とても面白かったです。今まで読んだ中で私的に1番キュンキュンしました!素敵な作品をありがとうございました。次回の作品も楽しみにしてます。 (2018年8月20日 22時) (レス) id: 70eef4ddd6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年8月12日 12時

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