【YG】キミと奏でるメロディー

＃21 ページ21

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わたしの問いかけに一瞬黙ったユンギさん。その沈黙に少しドキドキしたけど、すぐに「お願いする」って言われて嬉しくなる。

小さな声で、ゆっくり、いつもの歌を歌う。

ユンギさんは静かに聞いていて電話口からはなんの音もしない。それでもわたしは静かに歌い続けた。





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「ユンギさん…？」


歌い終わって小さな声で問いかけても反応はなかった。携帯を耳に当てて静かにしていると、僅かに聞こえてくる寝息。寝れたのかな。眠れないって言っていたけど、わたしの歌を子守唄代わりにできたのかな。


「ユンギさん？」


もう一度、問いかけてもやっぱり反応はない。暫くわたしも無言のままで通話状態は切らずにいた。それでも静かな寝息が聞こえてくるだけで、ユンギさんは喋ることはなかった。だから今度こそ寝たのだろうと思う。


「おやすみなさい、ユンギさん。ゆっくり休んでください」


通話を切ってわたしも眠りについた。

ユンギさんが朝まで目を覚ますことなく安心して眠れることを祈って。





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朝、目が覚めるとユンギさんからメッセージが届いていた。昨日は途中で寝てしまったことを謝る言葉と、でもよく寝れたという感謝の言葉だった。そのメッセージを読んで自然と笑みが漏れた。よかった、ユンギさんちゃんと寝れたみたいで。

わたしはそれに「また子守唄歌ってあげます」と返事をする。そうすればその日の終わり頃に「俺は赤ちゃんじゃない」って拗ねたメッセージが届いていて、また笑ってしまった。


ユンギさんと電話した日からたまにユンギさんから着信があることがあった。しかし昼間だとわたしは出れることがなくいつも不在着信になってしまって申し訳なかった。わたしが折り返しができるのは手が空いた時か夜になってしまう。いつ手が空くかはその時によって分からない。夜もあまり遅くは迷惑かなって思ってしないこともある。そのため結局、電話はすれ違ってしまってあれから1度もできていない。


そしてユンギさんからはまた「眠れない」「声が聴きたい」というメッセージが、何度か届くようになる。その度にもどかしくて電話をしてみるが、やっぱりタイミングが合わなくて。眠れないと言っているなら、夜中だろうと電話してみようかなって思うけれど、ちゃんと寝れていたら申し訳ないし、と結局できないでいる。



そんなすれ違いを繰り返し続けていたら、また1ヵ月が経とうとしていた。


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