1 2 0 円 に な り ま す 。

2 7 円になります 。 ページ27

*









「 ねぇ 、A 、

ちょっと ！ ちょっと ！ 」








レジで会計を済ませていると

ものすごい勢いでユリが

私の肩を叩いてきた 。








「 な 、何 … 痛い … 」







「 あれ ！ あれってさ ！！ 」









口をパクパクさせながら

興奮気味に外を指差すユリに言われて

外に目を向ける 。









ど き ん 。







「 あの 、携帯を片手に

佇んでんの 、ジン先輩だよね ！？ 」







「 う 、うん … 」









どうしよう 、どうしよう 。


ドキドキしてきた 、やばい 。








店の前の通りに

立っているジン先輩の姿 。




…… 絵になる … 格好いい …










「 ちょっと 、A ！

何 、突っ立ってんの ！！ 」









バシッと背中を叩かれる 。



まるで行けと言うように 。









でも 、只今

パニック中なんです 。








「 え 、いや 、無理 ！！

どうしようどうしようどうしよう ！！ 」








「 チャンスじゃん ！！

中々ないよ ！？ こうして偶然会うの ！！ 」








「 でも 、でも … 」









臆病な私は

その場から足を動かすことができなくて 。








「 てか 、会計終わったし 、

ずっとここにいるのも迷惑だよ ？ 」








「 う 、うん … そ 、そうなんだけど … 」









ぎゅっと鞄を持つ手に力を込める 。









そのとき 、

頭に浮かんだ 、テヒョンくんの顔 。









いいな 、彼みたいになりたい 。









もし同じ状況に出くわしたら

彼ならとっくに話しかけてる … はず 。









「 ほら 、行ってきて ！！ 」







「 え 、ちょっ 、」









さっきより強い力で

背中を押されながら店を飛び出す 。








…… ど 、どうしよう 、

何て話しかければいいの …








そう頭の中で考えながら 、

ゆっくりとジン先輩の方に歩みを進めたとき 。








ジン先輩がにこっと笑みを浮かべて



そして 、手招き 。









…… うそ 、私に ？





やばい … 心臓うるさい 、









「 ジンせんぱっ 、」









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