1 2 0 円 に な り ま す 。

2 0 円になります 。 ページ20

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満面の笑みで袋の中を覗きながら

ブランコに座る彼 。







…… 仕方なく 、

私もブランコに座ってみる 。







雨 、降ったのかな 。



ちょっと濡れてるし … 汗









「 あ 、おにぎり ！

おかか ！ 鮭 ！ …… わ 、梅 … 」





袋からおにぎりを取り出す彼 。





明らかに最後の梅への反応が

おかかと鮭のときと違う 。









「 …… 梅 、嫌い ？ 」







そう聞いてみると

眉をしかめて何度も頷く 。








「 梅 、酸っぱいじゃん …

食ったら顔が中心に寄っちゃわない ？

あの感覚が俺 、やなの 。」








…… あ 、それ

ちょっと … 分かるかも 。









「 …… 私も 、あんま

好きくないよ 、梅 … ってちょ ！ 」







彼の手から慌てておにぎりを奪う 。









「 ちょっと ！

おかかはダメ 、私 一番 好きなんだから ！ 」








「 え ー ！ 俺もおかかがいい ！ 」








私の手から

おかかを取り戻そうと手を伸ばす彼 。









てか 、

もらう側なんだから遠慮しろよ 。



…… 梅を食えとは言わないけど

黙って鮭で我慢しろよ 。






こうなったら …








「 あ ー もう ！

じゃあ 、一旦 袋 戻す ！

袋の中を見ずに手を伸ばして 、

自分が掴んだおにぎりを食べよう 。

梅でもだよ ！ 」








私がそう提案すると 、

楽しそう ！ って笑顔で頷く 。








「 ん 、恨みっこ無し ！！

じゃあ 、俺から取る ー ！ えい ！ 」







袋に手を突っ込んで

ガサゴソさせると 、にたっと笑う 。








「 きた 、これ絶対おかか ！ 」








いや 、どれも形は一緒だから 、

感触じゃ分かんないと思うんですけど 。









おにぎりを取り出した途端

すぐにガクッと項垂れる彼を見て

頬が自然と緩む 。








「 …… ふふ 、梅だったんだ ？ 」







「 …… ん …. 」









しゅんとしながら

おにぎりの袋を外す彼が

ちょっとだけ可愛く思えた 。









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