1 2 0 円 に な り ま す 。

1 6 円になります 。 ページ16

*








「 あ 、ごめん 、

ぼ ー っとしてた 。」







あ 、じゃね ー よ 。


ぼ ー っとしてたじゃね ー よ 。









「 だから 、彼氏になって

今度こそ 守るよ 、Aちゃんのこと ！！ 」









「 ノ ー サンキュ ー です 、結構 。」







そう言い放ち 、スタスタと歩いていると 、

分かれ道に出くわした 。









いつものように右に曲がろうとすると 、

隣の彼が立ち止まる 。











「 Aちゃん 、右 ？

俺 、こっち 、ひだ ー り ！ 」









「 あ 、そうですか 。

じゃ 、さよなら 。」








やっと別れられる … ！







開放感に包まれながら

歩こうとしたとき 、

手首をぎゅっと掴まれた 。








「 な 、何 ！？ 」








び 、びっくり 。





振り返ると 、

にこにこと笑顔で優しげな瞳と目が合う 。





私は瞬時に目を逸らす 。









「 俺 、諦めないよ 。

Aちゃんに好きな人がいても

絶対に諦めないから ！ 」









「 …… え ？ 」









「 Aちゃん 、この前 …

コンビニに来てた 、先輩 ？ のことが

好きなんでしょ ？ 」







な 、な 、！








「 な 、何で分かったの ！？ 」






「 ふふん 、俺 、天才だから ！ 」









…… ドヤッとすんなよ 。









「 てか 、手 離してもらえます ？ 」








「 え ー … 離したくない ー 、

Aちゃんの手 、ぷよぷよしてて

気持ちいいもん 。」









…… それは遠回しに

私が太ってるって言いたいのかな 。









*

1 7 円になります 。→←1 5 円になります 。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す