3-09 ページ9
.
「ヒョン、頼むよ。今日、練習しなきゃいけないのは分かるけど。俺とジョングクならすぐみんなに追いつくから一緒に行っていいだろう？」
「お前は構成に関わってるからいいけど、ジョングクは違うだろう？お前だけじゃだめなのか？」
「ジョングクが行かないと駄目なんだって。ジョングク1人だと心配だから俺もついていく」
「でもな…」
2人の言い合いを聞きながら、車に乗り込んでAを寝かせる。それを見届けてナムジュニヒョンが車の扉を閉じた。そして運転席の方に回ってマネヒョンに声をかける。
「僕からもお願いします。どうせ僕が足引っ張ると思うから、ジョングクなら後から参加してもすぐに追いつきます」
「そうだろ、ジョングガ！」
ナムジュニヒョンの言葉に続いてホソギヒョンが僕の方を見てそう言う。
「はい。後から参加しても遅れは取りません。必ず完成させますからお願いします」
話の流れがよく分からなかったけれど、きっとこの後に待ってるダンスの練習のことだと思う。まだタイトル曲以外はダンス練習に入っていないから。カムバまでのタイトスケジュールを考えたら、1回でも練習を抜けるのは厳しいとマネヒョンは思っているんだろう。
僕も正直そう思うけど、でもAの傍にいたかった。Aのためなら、死に物狂いで練習するから。だからお願い。そんな気持ちを込めてマネヒョンに伝えれば、溜息をついて渋々了承してくれた。
「ありがとう、マネヒョン」
「俺は知らんからな！」
やけくそになって言うマネヒョンにもう一度、感謝の言葉を伝える。もう何も言わないで病院へと急いでくれた。
「ホソギヒョンもありがとうございます。ついて来てくれて」
「気にすんな。ジョングギ1人だと心細いだろ？他のみんなもお前の傍に居たがってたけど、流石に全員では行けないから」
「はい…忙しい時期にすみません」
「別にジョングギのせいじゃないだろ。もちろんAちゃんが悪いわけでもない。しかたないことだよ」
何ともない風に言うホソギヒョンだけど、さっきだってマネヒョンと言い合って。きっと一緒に行くって言う他のヒョン達を止めて、自分だけが行くって説得してくれたんだろうし。他のスタッフにだって止められたと思う。
ナムジュニヒョンだって僕を迎えに来てくれて、でも自分は行けないから、いろいろ思うところはあっただろうに。本当にこのヒョン達には助けられてばかりだ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1090人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
セナ - まさかの記憶喪失だったという展開にとても驚かされました...!!!次回作も楽しみにしております(*^^*) (2021年8月11日 12時) (
レス) id: 1946a1a89c (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - ゆうりさん» ありがとうございます！こちらこそ嬉しいお言葉を頂けて感謝でいっぱいです。ぜひぜひ、次回作もお付き合い頂けたらと思います。 (2019年2月27日 19時) (レス) id: 66eaabbd56 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - みきさん» コメントありがとうございます！毎回みき様の素敵なお言葉に癒されておりました。タイトル通りひたすら優しさを漂わせていたお話だったのでそう言っていただけて嬉しいです。もし機会があれば書いてみたいと思います。 (2019年2月27日 19時) (レス) id: 66eaabbd56 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり(プロフ) - 完結お疲れ様でした！！！とても好みの話でいつも楽しみに待っていました！次回作も時間がありましたら待っていますのでどうぞよろしくお願いしますm(__)m最後まで楽しませてくださってありがとうございました！ (2019年2月25日 14時) (レス) id: 5e5d1321e9 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 完結お疲れ様でした。悪い人がいないとてもしあわせな話でした。この2人のしあわせな姿をずっと読み続けたいし、事故に遭う前の2人のしあわせな話も読んでみたいです。いつも更新楽しみにしていました。ありがとうございました。 (2019年2月25日 12時) (レス) id: cd9810eca3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：藍
| 作成日時：2019年2月20日 20時
