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「A…」


ぐったりとしているAの姿を見て、怖くなる。抱きかかえて病院に連れて行こうとしたのはいいけど、交通事故が起きて周りは騒然としていて。既に誰かが救急車は呼んだみたいで、音は鳴り響いているけれど。あれに乗るのはもっと状態が酷い人達だと思うから。

Aがなんで倒れたのかが分からない。見たところ事故に巻き込まれたようではないようだし。でも意識を失う前に頭を押さえていて。痛みで顔を歪めていた。だから事故とは関係ないと思う。

理由が分からないから余計に不安になる。どうしようどうしようって思うだけで何をすればいいのか分からなくて。結局パニックになりながらヒョン達に電話をすることしかできなかった。


「おージョングギどうした?Aちゃんのカフェ取りに行ったんじゃなかったのか?」


順番にヒョン達に電話をかけて出てくれたのがホソギヒョンだった。のんびりとした言葉に被せるようにAのことを知らせる。


「ひょん…ヒョン、どうしよう。またAが意識を失っちゃった。病院に連れて行きたいんだけど、事故があったみたいで、周りは混乱してて。僕、どうすれば」

「え?ちょっと落ち着け。今、どこ?事務所の前?」

「前の横断歩道渡った先です。でも事故で、」


今度はホソギヒョンが僕の言葉を遮るようにして聞いてくる。


「また事故にあったわけじゃないんだな?」

「はい。見た感じそうだと思います。でもなんでAが倒れたのか分からなくて。呼んでも目を開けません」

「分かった。とりあえず、マネヒョンに車出してもらうから。お前、事務所の方まで戻って来れるか?」


ヒョンの言葉に小さく返事をすれば通話は切られて。僕はもう一度Aを抱き直して、騒然としている交差点を避けるように遠回りして道を横断して事務所に急ぐ。交差点はパニックになっていて。僕がAを抱えて走っていても周りの人はあまり気にしていなかった。流石に事務所の入口では驚いた顔して出迎えられたけど。僕だって分かればなにも言わなかった。

事務所まで来たけど、どこに行けばいいんだろかなんて困っていたらちょうどエレベーターが到着してナムジュニヒョンが出てきた。


「ジョングガ!」

「ひょん…」

「マネヒョンが裏に車回してくれるから行くぞ」


僕の背中を押して奥へと進ませる。それに従って僕も歩き始める。車まで行けば、何やらホソギヒョンとマネヒョンが言い合ってるのが聞こえてきた。


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セナ - まさかの記憶喪失だったという展開にとても驚かされました...!!!次回作も楽しみにしております(*^^*) (2021年8月11日 12時) (レス) id: 1946a1a89c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ゆうりさん» ありがとうございます!こちらこそ嬉しいお言葉を頂けて感謝でいっぱいです。ぜひぜひ、次回作もお付き合い頂けたらと思います。 (2019年2月27日 19時) (レス) id: 66eaabbd56 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - みきさん» コメントありがとうございます!毎回みき様の素敵なお言葉に癒されておりました。タイトル通りひたすら優しさを漂わせていたお話だったのでそう言っていただけて嬉しいです。もし機会があれば書いてみたいと思います。 (2019年2月27日 19時) (レス) id: 66eaabbd56 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり(プロフ) - 完結お疲れ様でした!!!とても好みの話でいつも楽しみに待っていました!次回作も時間がありましたら待っていますのでどうぞよろしくお願いしますm(__)m最後まで楽しませてくださってありがとうございました! (2019年2月25日 14時) (レス) id: 5e5d1321e9 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 完結お疲れ様でした。悪い人がいないとてもしあわせな話でした。この2人のしあわせな姿をずっと読み続けたいし、事故に遭う前の2人のしあわせな話も読んでみたいです。いつも更新楽しみにしていました。ありがとうございました。 (2019年2月25日 12時) (レス) id: cd9810eca3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年2月20日 20時

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