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* * *
「一昨日はどうだったのよ、Aさんよ」
月曜日の8時。
一限が始まるのは8時半からだからクラスは話し声で溢れている。昨日どこに行っただとか、あれを食べただとか。
『なーにが?』
グクとのことを聞きたいのだろう、キラキラした目で私に尋ねるへヨンにとぼけたふりをする。
「もーわかってんでしょ!」
『残念ながらへヨンの期待することはなにも…』
私の言葉に一気に肩を落とすへヨン。
かわいいなあ。
純粋で、やさしい。
私とグクなんかとは大違い。
このまま汚いことなんかなにも知らないままで友達でいてほしい。だって、こんな汚い私を知ったら、私のこと嫌になっちゃうでしょう?
『…あったよ(笑)』
「う、ええええ?!そーなの?!どんな?!どんな?!」
『えーー秘密』
「いいもん、ジョングクに直接聞こー」
『ちょ、ちょちょちょ』
うふふ、なんて言ってスマホを取り出すへヨンを制す。
「なにがあったの?へヨンちゃんに教えてごらんなさい?」
『…へヨンのお望み通りになりましたよ〜全部』
「………ん?」
『だからそのまんま。』
「わたしなんて言ってた?」
いや、この前のこともう忘れちゃったの?
『だからね?へヨンが告白してみれば?って言ったからさ。したら、いいよ付き合お、って。
そんだけのはなし。』
「………ほ?」
『ほ。』
ほってなんですか。
「…ええ!ほんとう?!」
『だからそうだって言ってる…』
「よかったね!!!」
…そっか。そういう反応だよね。
わたしはこんな変な恋愛を初めて体験してるから、どうしてもなんだかモヤモヤしちゃってふわふわ出来ないや。
『……ありがとう』
おまけに頭もぼーっとする。
昨日はバイトが終わって、それから溜めた課題を徹夜でやったからかな。
それとも、
あの瞳を思い出してしまうからかも。
あの、黒くて濁ったように見えるけど本当は澄んでる瞳。
「おれも、すきです」
なんて。
ばかみたい。
知り合って間もない人間にさ。
敬語、使ってるんだ。
『あ、へヨンに聞きたいことがあるんだけど』
「なぁにー?」
『ジョングク君の先輩、ってジョングク君のこと、なんて呼んでた?』
なんでこんなわかりきったことを聞いてしまったんだろう。
「んー、グク、だったっけ…」
『……でしょうね』
「え?」
『ううん、なにも。』
*
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月野(プロフ) - ふゆさん» ありがとうございます。ドキドキハラハラ四角関係?みたいなのとはすこし違いますが、楽しんでいただけたら嬉しいです(^_^) (2018年11月17日 12時) (レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ - テテくんの登場にドキドキです。続き楽しみにしています! (2018年11月10日 14時) (レス) id: 8d7e35afef (このIDを非表示/違反報告)
月野(プロフ) - 里珠さん» 読んでくださりありがとうございます!続き書くの遅くて申し訳ないです…できるだけ頑張ります〜! (2018年10月23日 16時) (レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)
月野(プロフ) - もぐらさん» 読んでくださりありがとうございます!映画やドラマだなんて恐れ多いですがとても嬉しいです。また更新頑張ります! (2018年10月23日 16時) (レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)
月野(プロフ) - (名前)レンさん» いつもコメントありがとうございます!また更新頑張りたいとおもいます(^_^) (2018年10月23日 16時) (レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月野 | 作成日時:2018年3月23日 20時