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小さいころから、姉がお姫様だった世界にいたAを傷付けるようなことをしてしまった。

俺のせいで、泣くのかな。

Aは、俺のことを憎んでるかな。


どうしようもない申し訳なさと、自分のなかのよく分からない感情を感じて、今すぐ扉をあけて何かを言いたくなった。だけど、その何かがわからなくて、そして、今置かれている状況でそんなことをできるはずもないのはこんな馬鹿でもわかった。





「……先輩、もしかして知って、」


────「真っ白で、真っ直ぐで、心が綺麗で?」「……時々、邪魔だなって思う。」


先輩はきっと、Aをあまりよく思っていない。
だから、嫌な考えが浮かんでしまった。



「……なにが?」


ニコニコとして、表情を変えない先輩は、
すこし怖く感じた。


「なんでも、ないです」

先輩のことが好きなはずなのに、
先輩の彼氏になれたはずなのに、
深いところまで、入っていけないのはどうしてだろうか。


「じゃ、バイバイ。今日は楽しかった!」


楽しかったなんて、
家にいって、ただ先輩の部屋で面白くもないテレビを見て。
少しお菓子をつまんで、それだけ。
なのに、楽しかっただなんて。
変な気持ちになった。



「…………また、来ます」


そう言うと、先輩は綺麗に微笑む。
綺麗な髪も、きゅっと上がった口角も、顔の角度も、何もかも先輩は綺麗で完璧だった。


「ねえグク」


背を向けて、少し歩いてから呼び止められた。
振り向くと笑顔の先輩が言った。



「……私のこと、好き?」って。



「すき、です」


どく、どく、
先輩が意図していることがわからなくて。
すこし吃ってしまった。


「ふぅん、そう。」


自分から尋ねた割に、興味がなさそうな返事。
それなら、


「……先輩は、」


俺のこと、好きですか?

でも、なぜか聞くことはできなかった。



「………やっぱ、なんでもないです」




俺と、先輩とA。

僕らの関係は少し、いや、かなり変だ。




* *

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設定タグ:BTS , 防弾少年団 , ジョングク、テヒョン   
作品ジャンル:恋愛
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月野(プロフ) - ふゆさん» ありがとうございます。ドキドキハラハラ四角関係?みたいなのとはすこし違いますが、楽しんでいただけたら嬉しいです(^_^) (2018年11月17日 12時) (レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ - テテくんの登場にドキドキです。続き楽しみにしています! (2018年11月10日 14時) (レス) id: 8d7e35afef (このIDを非表示/違反報告)
月野(プロフ) - 里珠さん» 読んでくださりありがとうございます!続き書くの遅くて申し訳ないです…できるだけ頑張ります〜! (2018年10月23日 16時) (レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)
月野(プロフ) - もぐらさん» 読んでくださりありがとうございます!映画やドラマだなんて恐れ多いですがとても嬉しいです。また更新頑張ります! (2018年10月23日 16時) (レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)
月野(プロフ) - (名前)レンさん» いつもコメントありがとうございます!また更新頑張りたいとおもいます(^_^) (2018年10月23日 16時) (レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月野 | 作成日時:2018年3月23日 20時

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