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「…………付き合うって、」

わからない。
どうして?先輩は、いつだって俺を弄んで、だからって離してくれなくて、「付き合う」だなんて口にすることは絶対になかったのに。

「話、しよう」

そう落ち着いた声で諭されたので、
さっきまで座っていた椅子に再び腰掛けた。

「いままで、ごめんね」

眉を下げて言う先輩。

「な、にが、ですか…」

息が苦しい。
胸が痛い。

「わたしね、優しくて私のことを大事にしてくれるグクにずっと甘えてた。
気づいたら与えてもらうことばっかりで、グクになにも返せてなかったよね。」

「ほんとはね、この前Aと一緒にいるグクを見てすっごく焦った。」


変だ。こんなの変だ。
先輩じゃないみたいだ。
……だけど、この先の言葉を待っている自分がいる。


「……わたし、グクのこと、好きみたい」


「…………先輩」


「へへ、馬鹿みたいだよね。グクと出会ってから、もう三年なのにね。」


先輩が、おれのことを好き?

俺の完全に一方通行だった矢印が、両矢印になったっていうこと?


「わたし、グクの彼女になりたい」

「……だめかな?」

「……でも、俺はいまAと、」


ぐらぐら、
迷ってしまっている自分がいる。
こんなのどうしたらいいかなんて、いや、どうするべきかなんてとっくにわかりきってる。
だけど、三年の思いは、
大きすぎるんだ。


「グクは、Aのことほんとに好きなの?」

好き?
正直、先輩に対する思いと、Aに対する思いは少し違う。
先輩は、痛い。先輩のことを思うと苦しくなる。
だけど、Aはあたたかい。穏やかな気持ちになれる。


「わたしと似てるから付き合ったんだよね」

そうだ。
おれは、先輩に似てるから、
先輩が悔しがるかと思って、Aの告白をOKした。

「グクの、気持ち、教えてよ」

「……わたしのこと、好きって言ってよ……」


馬鹿な男は
弱々しく言う先輩の小さくて白い手を、
取ってしまった。



「……せんぱい、ずっと、好きでした」




A、ごめん。

俺は弱くて、小さくて、ダサくて、最低だ。




「……わたしと、付き合ってくれるの?」


「…………はい」



いっそ、こんな自分は地獄に落ちればいいと思った。



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設定タグ:BTS , 防弾少年団 , ジョングク、テヒョン   
作品ジャンル:恋愛
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月野(プロフ) - ふゆさん» ありがとうございます。ドキドキハラハラ四角関係?みたいなのとはすこし違いますが、楽しんでいただけたら嬉しいです(^_^) (2018年11月17日 12時) (レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ - テテくんの登場にドキドキです。続き楽しみにしています! (2018年11月10日 14時) (レス) id: 8d7e35afef (このIDを非表示/違反報告)
月野(プロフ) - 里珠さん» 読んでくださりありがとうございます!続き書くの遅くて申し訳ないです…できるだけ頑張ります〜! (2018年10月23日 16時) (レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)
月野(プロフ) - もぐらさん» 読んでくださりありがとうございます!映画やドラマだなんて恐れ多いですがとても嬉しいです。また更新頑張ります! (2018年10月23日 16時) (レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)
月野(プロフ) - (名前)レンさん» いつもコメントありがとうございます!また更新頑張りたいとおもいます(^_^) (2018年10月23日 16時) (レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月野 | 作成日時:2018年3月23日 20時

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