【完】ニセモノの恋をはじめましょう JK

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『…………どういう、こと』

待って、どういうこと？
別れて？
状況が理解できない。


「……ごめん」

『……どうして』




グクの胸を押して離れようとすると簡単に解ける腕。
泣いちゃいそう。
バイトと勉強の日々で疲れきった身体に、
こんなのあんまりだよ。



『ねえ、どうして、』




「…………好きな人がいる」


ぽつりと落とされる言葉が胸に刺さる。




そんなの。そんなの、知ってたのに。
いざ言葉にして言われると、胸が苦しくて、つらくて。



『……この前の先輩？』


なんで知ってるのかとでも言うような顔。


『知ってたの、ほんとは。グクに好きな人がいるってこと。』

『わたしに、似てるんでしょう？』

『じゃなくて、私が、似てるんでしょう？その先輩に。』

『知ってて、近づいたから。』


こんなこと、言うつもり無かったのに。


「……A」


『わたしは、わるいこだよ。それを知ってて利用した。元カレがしつこかったから彼氏が欲しかった。』


「……利用？」


「そんなの、俺だって……」


『うん、そうだね』


『グクも好きな人と似た人と付き合えて楽しかったでしょ？わたしも、ジェグォンのこと解決した。』



『だから、もう、』







タイムリミットだよ。グク。








『私たち、別れよう。』




そう言って、笑顔を作ったつもりだったのに、
涙がぽろぽろとこぼれ落ちてくる。





やだな。
最後まで偽りの笑顔でいたかったのに。




『……見ないで、』


「……A」


『…………グクのことなんかだいきらいだから、はやく帰ってよ……もう……』



喉から出かかった『別れたくない』なんて言葉を必死に食い止める。



『………………もう、これ以上みじめな気持ちになりたくないよ……』



「……ごめん」



グクは、私に背を向けて、部屋を出ていった。
パタンと閉まるドアを見て、
私は泣き崩れた。




『ううっ……っく、』



すきだよ、グク。

好きになっちゃってたんだよ。わたしだけ。





酷いよね、


最悪の誕生日プレゼントだよ。




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