【完】ニセモノの恋をはじめましょう JK

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雨が降る日。
実習も近づいてきて、勉強、バイトの日々で身体はくたくたになっていた。


「A誕生日おめでとー！！！」

『ありがとー！！！』

今日は私の誕生日。
とくに誕生日という日に重きは置いていないけれど、やっぱり祝われると嬉しい。

「これプレゼント！」

ヘヨンから渡されたのはキラキラしたかわいい色のグロス。

『超かわいい！ありがとう！！』

「たくさん使ってね」

『もちろん！』

「ジョングクにはおめでとうって言ってもらえた？」

『ううん』

そう言うと顔を顰めるヘヨン。

「忘れられてるの？」

『あ、違うの。私が言ってないだけで』

「なんで？！」

『なんか、わざわざ自分から言うの嫌で(笑)』

恥ずかしいじゃん。
祝ってくださーいって言ってるみたいで。

「絶対言った方がいいよ！」

『うーん……』

「じゃあ、Aはジョングクの誕生日知らないで過ぎてたらどう？」

『……やだ』

「でしょ？だから言いな。絶対。」

『……わかった』


スマホを取り出し、グクとのトーク画面を開いて文字を打とうとする。

すると、


「A、今日時間ある？」


グク？
めずらしいな、グクのほうからだなんて。


『なにかあった？』


「話があるんだけど、家行ってもいい？」


……話？なんだろう、改まって。
メールで言えないこと？


『ねえヘヨン』

「言えた？」

『……グクが話あるから家来るって』

「え！もしかしてほんとは誕生日知ってたパターンじゃない？サプライズ？」


そう、なのかな。
おめでとうって、グク言ってくれるのかな。


「さっきあげたグロスつけてきなよ！」


ほんの、ちょっとだけ期待しちゃうじゃないか。

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