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最初は、似ているなんて思ってた。
高校の同級生のヘヨンの友達としてあの場に来たときも、「好きだよ」って同じような目線で見つめられたときも、初めてキスをしたあの日も、最低だけれど彼女を自分の好きな人と重ねていた。
もちろん一卵性双生児のようにそっくりなわけでもない。だけど、伏せた目や光が当たってアーモンド色になる瞳、やわらかく聴き心地のよい声。
ところどころが、おれのたったひとりしかいない 先輩 に何処と無く似ていると思った。

皆でご飯を食べたあの日、彼女は、気にもとめずに俺の正面なんかに座りやがった。こっちの気も知らずに、なんて思い、先輩を思い出さないようにと前は見ないようにしていた。ほかの人と話しながら無邪気に笑う彼女は、自分が好きになったときの先輩みたいで。不覚にもすこし胸が高鳴った。



先輩、いま何してるのかな。
新しい彼氏とはうまくいってるのかな。
……やめた。こんなどうしようもないことを考えるのは。

けれど、数分経って、通知の来ていないスマホの画面を見てしまうのは、悪い癖だって知ってる。

あんな、思わせぶりで、ずるくて、
いつになってもおれのものになってくれない先輩なんて嫌いだ。
世界でいちばん嫌いだ。
あんな女、もう手に入れたいとも思ってない。


……きっとまた、会いに行ってしまうんだろうけど。







それから、あろうことか、ヘヨンの友達。ニセ先輩から連絡が来た。(同い年なんだった)
なんだ、この子も結局量産型の恋人募集中女子大生か。いや、専門学生だったっけ。
先輩はそんなの自分から行かなくても勝手に周りには人がいて、常に男には困ってない人間だから。やっぱり違う、と思った。おんなじ人間なんてこの世には存在しない、なんて歌詞にありそうだけれど、ほんとうにその通りである。

それからご飯に誘われた。
はじめは会うつもりなんてなかったけれど、
これはこれで、面白いんじゃないか。
好きな人と似ている人とデートする、なんて。


先輩は、デートなんてしてくれなかった。
飲んだ帰りに急に電話がかかって「迎えにきて」なんてかわいい声で言われたら走って迎えに行く、その程度。犬か。






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設定タグ:BTS , 防弾少年団 , ジョングク、テヒョン   
作品ジャンル:恋愛
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月野(プロフ) - ふゆさん» ありがとうございます。ドキドキハラハラ四角関係?みたいなのとはすこし違いますが、楽しんでいただけたら嬉しいです(^_^) (2018年11月17日 12時) (レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ - テテくんの登場にドキドキです。続き楽しみにしています! (2018年11月10日 14時) (レス) id: 8d7e35afef (このIDを非表示/違反報告)
月野(プロフ) - 里珠さん» 読んでくださりありがとうございます!続き書くの遅くて申し訳ないです…できるだけ頑張ります〜! (2018年10月23日 16時) (レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)
月野(プロフ) - もぐらさん» 読んでくださりありがとうございます!映画やドラマだなんて恐れ多いですがとても嬉しいです。また更新頑張ります! (2018年10月23日 16時) (レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)
月野(プロフ) - (名前)レンさん» いつもコメントありがとうございます!また更新頑張りたいとおもいます(^_^) (2018年10月23日 16時) (レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月野 | 作成日時:2018年3月23日 20時

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