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しばらく歩いていると、グクが何かに気づいたように私の方をばっと向いた。
『なに?』
「もしかして、こっちAの家の方面じゃない?」
『……あたり』
もうすぐ着いちゃう。
あの元カレに会いに行くことなんて、すっかり忘れてた。
「え?ついてきてほしいとこってAの家?」
『……うん』
「……えーと、それはAさん、お家デートってことっすか?」
『え?!』
「初めてお家誘ってくれたね(笑)」
ニヤニヤしながらグクが私を見る。
『いや、あの、誘ったとかではなく、』
「手繋いでもいい?なんてめずらしく積極的でかわいーなとか思ってたらそういうこと?(笑)」
『その、違くて……』
かわいい、とか私にたいして思うんだ。
びっくりして焦って、わけがわからなくなってしまった。
『ていうか、部屋入りたいとか思ったことあったの?』
「うん」
『えっ、』
「でも、まだ付き合ってそんなに経ってなかったから、嫌かなーって思って(笑)」
ずるいひと。
先輩のことがすきで、すきでしかたがないくせに。
まるで、私のことをほんとに好きみたいな態度をとるから。
なんだか、アイドルのファンになったみたいだった。
言葉では、まるで恋人みたいな言葉ををかけるけれど、実は本命の彼女がいるみたいなアイドル。
期待させておいて、
いつか私を簡単に捨てるんでしょう?
「A?考えごと?」
『……ううん。』
「そう?」
『あのね、グク。
今から家に行くのは、お家デートとかじゃなくて、』
「……遅かったな」
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月野(プロフ) - ふゆさん» ありがとうございます。ドキドキハラハラ四角関係?みたいなのとはすこし違いますが、楽しんでいただけたら嬉しいです(^_^) (2018年11月17日 12時) (レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ - テテくんの登場にドキドキです。続き楽しみにしています! (2018年11月10日 14時) (レス) id: 8d7e35afef (このIDを非表示/違反報告)
月野(プロフ) - 里珠さん» 読んでくださりありがとうございます!続き書くの遅くて申し訳ないです…できるだけ頑張ります〜! (2018年10月23日 16時) (レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)
月野(プロフ) - もぐらさん» 読んでくださりありがとうございます!映画やドラマだなんて恐れ多いですがとても嬉しいです。また更新頑張ります! (2018年10月23日 16時) (レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)
月野(プロフ) - (名前)レンさん» いつもコメントありがとうございます!また更新頑張りたいとおもいます(^_^) (2018年10月23日 16時) (レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月野 | 作成日時:2018年3月23日 20時