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「このふたりをAとBとします。
恋愛にしても友情にしても、どちらかの思いが強くなりすぎちゃうことってあるでしょう？
そしたら、BがAに近づく。だけど、元々の線ってあるから、その線を保とうとして、Aが離れるんです。Bが近づいた距離のぶんだけ。それが相対性理論。」
なるほど、なんて思った。
私と、あの元カレもそうなのかも。
わたしと彼の距離をわたしの中で決めてしまっていて、彼が近づくから私は一歩下がる。
私が一歩下がるから、彼はまた一歩すすむ。
なんて悪循環だ。
もしかしてグクの場合も？
先輩に近づきたい一心で、何歩も何歩も歩いてくる。
先輩にその気はないから、グクをいいように使っておいて、突き放すこともせずに、少しさがる。
だとしたら、人間ってなんて単純なんだろう。
「だけど、ここからが看護理論だよ」
講師がまた口を開いた。
「君たちはフィンクを私の授業で習ったことを覚えてる？ソン・ヘヨン、わからなくてもいいから答えてみなさい」
講師の一番近くの席のヘヨンが当てられる。
「は、はい！えっと、……死の受容段階？」
恐る恐る答えたヘヨンに、講師は「惜しい。そのときの授業で一緒に教えたはず。」と返した。
「フィンクとはね、危機理論を論じた理論家だよ。」
「衝撃、防御的退行、承認、そして適応。
BがAに突き放されたとする。すると、まず衝撃の段階。えっ、どうして？なんで？みたいな感情をAに対して抱く。
次に、防御的退行。どうして私を突き放すんだ！そんなはずがない！という考え方になってしまう。
あとは、認めて、それを受け入れていける、というのが段階を踏んでいくってことなんだけどね。
ただ、この段階のスピードは人によって違う。
否定的な態度をずっとずっととりつづけるなんてこともある。ストーカーなんていうのもすこしこれに似ているかもしれないね。」
……すこし、ゾッとした。
私は、あのひとを突き放すと、こうなっていくのかもしれない、と。
だけど、突き放さないといつまでも近づいてくるだけ。
こわい。もし、私が突き放しても受け入れてくれなかったら……？
膝の上に置きっぱなしにしていたスマホが震えた。
「こんど家遊びに行ってもいい？一人暮らしでしょ？」
「知っててびっくりした？」
ねえ、ニセモノの恋人さん。
私がもし助けてって言ったら、
先輩ではないけれど、助けてくれる？
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月野(プロフ) - ふゆさん» ありがとうございます。ドキドキハラハラ四角関係？みたいなのとはすこし違いますが、楽しんでいただけたら嬉しいです(^_^) (2018年11月17日 12時) (
レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ - テテくんの登場にドキドキです。続き楽しみにしています！ (2018年11月10日 14時) (レス) id: 8d7e35afef (このIDを非表示/違反報告)
月野(プロフ) - 里珠さん» 読んでくださりありがとうございます！続き書くの遅くて申し訳ないです…できるだけ頑張ります〜！ (2018年10月23日 16時) (レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)
月野(プロフ) - もぐらさん» 読んでくださりありがとうございます！映画やドラマだなんて恐れ多いですがとても嬉しいです。また更新頑張ります！ (2018年10月23日 16時) (レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)
月野(プロフ) - (名前)レンさん» いつもコメントありがとうございます！また更新頑張りたいとおもいます(^_^) (2018年10月23日 16時) (レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月野
| 作成日時：2018年3月23日 20時
