【完】ニセモノの恋をはじめましょう JK

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あ、でも。
ちょっとだけ変わった人がいたな。



「ジョングクは？」

『あ、そんな名前だったっけ』



そのちょっと変わった人。

ヘヨンと高校が同じだったみたいなんだけど、
店に入ったとき、なんかすごい視線を感じる、なんて思ったら、
その人が驚いたような顔をしてて、
その後手に持っていたスマホをおとしたんだ。



綺麗な顔立ちだったけれど、私の中では変な人っていうイメージが定着してしまった。



話しかけても、すべて単語でしか返ってこないから、君は何しにここへ来たの！って言いたくなったし、料理に入っていたブロッコリーとキノコをすべて避けていた。
私は別に好きだから食べてあげても良かったけれど、こういう場であまり残すべきではないんじゃない？なんて思って、敢えて何も言わなかった。
そしてそれは他の女の子が我先にと食べてあげてた。女豹かな？



「かっこよかったでしょ」

『まあ、うん』

「連絡先あげるからLINEしてみなよ」

『……やけにゴリ押しするね』

「A彼氏欲しいって言ってたじゃん」

『あー、言ってたけどさあ』

「それにさ、元カレ、やばいんでしょ」

『あーーー、忘れてたー……』



最近、高2の時に付き合ってた人が、結構しつこく電話をかけてきたり、学校帰り待ち伏せしてることが多くなった。
寄りを戻したいらしいけど、その人と付き合ってた期間なんてたったの一週間なのに。




「切る理由にもなるし彼氏も出来るしイケメンだし一石三鳥？素晴らしくない？」



確かに。そろそろ、ストーカー紛いなことはやめてもらいたいのが本心。



『だからって、そのジョングク君と付き合える可能性も低くない？』



基本的に危ない橋は渡りたくない性格なのである。



「大丈夫だよ、実を言うとね…」



ヘヨンが言った言葉に、なるほどと思うと同時に、無理でしょう、とも思った。








「ジョングクがずっと好きな人に、A似てんの。顔も、声も。」






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