あの夏の想い出に、さようなら

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近くの川で、2人で水の掛け合いをした。

ガラスの破片を踏んで足の裏から血が出て泣いた私を、ジミンはおぶって川から引き摺り出してくれた。

泣き止むまでずっと側に居てくれた。
ありがとうと伝えると、僕は男の子だから平気だよって汗でぐっしょりな顔で私を安心させるように笑った。


夏が嫌いだったのに、大好きになった。


夏休みが終わった後の学校は退屈だった。

冬休みの間もおばさんの家に行きたいと言った私に、お父さんもお母さんも驚きが隠せない様子だった。

結局おばさんが忙しいからって行けなかったけど、ジミンはそれほど私の中で特別な人になっていた。




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また明日ね、と言って帰って行ったジミン。

最後の最後までひたすらに大人っぽかったな…。


ジミンと会わなかった7年間、私は一体何をしていたんだろう。


目標もなく自分の偏差値相当の高校に行き、そこそこの数の友達を作って。

学校が終わったらカフェに行ったり、カラオケに行ったり。
バイトのある日は、ちょっと憂鬱だったり。

休みの日には仲のいい4人組で計画していたプチ旅行に行ったりした。

大学に行く気のなかった私は、高校を卒業と同時に運良く1発採用された場所に新卒で就職。


小言の多い上司や、ミスの許されない仕事を仲良くなった同僚と信頼のおける先輩達と協力しながら働いてる。

いつのまにか後輩が出来たりして、偶に仕事終わりにご飯に行って………。


私と同じような人生を送る人は数え切れないほどいるんだと思う。


無論私は、特別なことのない一般人なわけで、一般人が通る道を走りもせず止まりもせず、歩いてる。


だったらどうして？

何が不便？何が不満？


どうして私の心はこんなにも満たされないの？
私の生きているこの道は、幸せでは無いの？

じゃあ、どうしたら幸せになるの？


人より恋愛をしてこなかったのがいけない？
あの頃に告白してきた同級生に、向かうことなく断ったのが間違い？


…ジミン、あなたはどんな人生を歩んだの？




「Aちゃん」


『…っ、おばさん』









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